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船橋競馬の新馬戦にGO!

  • 2012年06月27日(水) 18時00分
 せっかく6月5日に船橋競馬の能力試験を観たのだから、それを実戦にいかさなければ意味がない。ということで、そこで合格した馬たちが競走馬として初めてヨーイドンで走る、新馬戦に突撃!

 夏の船橋競馬は薄暮開催。「オレンジレース」という名前がついていて、馬券にもそれが印刷されている。薄暮……夕刊……オレンジ色の憎いヤツ……。と、この連想ができるのは30年前に関東在住だった40歳以上の人でしょうなあ。でも船橋競馬場の客層的には合っているから問題ないよね。こういうリバイバル路線はどんどん推し進めていってほしいと思ったりして。

 しかし新馬戦が組まれている第1レースは12時55分発走だから、空は美しいスカイブルー。それはさておき、ここは能試で2位入線でも無理せず走ったリアライズブラックと、かかり気味に走って1位入線のガバナーリヴァイヴが人気を分け合う形。そしてレースはガバナーリヴァイヴが能試の勢いを再現して押し切り勝ち。しかし2着には能試の走りがかなりイマイチだったルースイが入線。2番人気とビリ人気(6番人気ですが)のワンツーで波乱となってしまった。

 うーむ、これでは能試をナマで観た効果がゼロだぞ。続く2レースはパドックでしっかりと能試後の変わり身をチェックしよう。

 能試ではダッシュひと息でも加速がよかったオベロンホワイトは、能試より12キロ減で体のラインがスッキリ。そこはちょっと気になるが、たぶんスピードで押し切れそうだ。相手も能試で1位入線のシャンタルでよさげ。ということで、馬連馬単3連単、念のためワイドをガッツリと仕入れる。といっても5千円程度ですけど……。

高橋利幸騎手

高橋利幸騎手

 すると、本馬場入場時にミオンチャンがいきなり俊敏に動いてジョッキーが落ちてしまい、カラ馬のまま馬場を2周して競走除外。5頭立てとなったレースではオベロンホワイトがあっさり逃げ切り、2着も先行したシャンタルが粘り切るという結果で、持っていた馬券は全部的中! いや〜、新馬戦を観に来てよかったわ〜!

「2頭ともスピードがある馬ですからね。しかし連勝できるなんて(照)。これで家が建ちますよ(笑)」と、新馬戦2連勝の高橋利幸騎手。前日まで、今年の勝ち星が1コだけだったのに、ここで一気に大爆発。この勢いを飛躍につなげてもらいたいものだ。

 ということで「能試を踏まえて新馬戦で勝負」は大成功。今後もチャンスをみつけてこの作戦を実行したい。ただ、能試は基本的に非公開なのよね……。でも競馬場側としてはファンに見られて困るものではないだろう。だから「見たい人はどうぞ」という形にすればいいと思う。

まだまだ現役、回転灯

まだまだ現役、回転灯

 ということで、その後も気分よく船橋競馬を堪能。といっても徐々に最初の貯金を崩す形になってしまったのだけれど……。でも、競馬場に長い時間滞在するのは久しぶり。おっ、まだこの回転灯、がんばっているなあ。

 4コーナー寄りの発売所は使われなくなって久しいけれど、締め切り5分前になると緑が回り、3分前になると赤が回る回転灯はしっかりと動いている。人々がごったがえして放送もかき消されるような雑踏状態のときに真価を発揮するのだろうけれど、現在の状況ではねえ。なんとか競馬人気が再興となるために微力ながらもがんばりたいものだ。

船橋競馬ミュージアム

船橋競馬ミュージアム

現在の投票所

現在の投票所

 続いて「船橋競馬ミュージアム」にも行ってみる。ここはかなりの競馬お宝が展示されていて、今は「出川龍一調教師勇退展」を開催中。なんと、出川師が制した重賞競走の優勝レイが、さわれる状態で置いてあった。こういうサービスに船橋競馬場の競馬に対する思いが伝わってくる。

 船橋競馬場の大スタンドは昭和の時代に建築されたものだが、内装は少しずつリフォームがされている。そしていよいよ、パドックのすぐ近くにあった平屋建ての投票所が、6月の開催を最後に建て替え工事に入るらしい。つまり今後は、パドックを見て買い目を決めて、おばちゃんから馬券を買うという体になじんだ動きが少し変わることになる。

 というのは少しさみしい話だが、でも旧態依然では仕方がない。全国の地方競馬はおしなべて右肩下がりの状況にあるが、すべての競馬場ではその向きを変えようと考えている。レースにしても地方競馬は情報が少ないぶん、ファンが考える余地が大きいから面白い。まだまだ知られざる魅力がたくさん詰まっているのだ。

【掲載終了のお知らせ】
浅野靖典氏の「地方競馬に突撃しよう!」は、今回の更新を持って掲載終了とさせていただきます。長い間ご愛読ありがとうございました。

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グリーンチャンネル・中央競馬中継キャスターを経て、4月からは同じくグリーンチャンネルの新番組「競馬ワンダラー」の案内人を務める。そのほかにも生産牧場や育成牧場の取材、執筆、各地の競走馬セリ市の進行役も。3月には単行本「廃競馬場巡礼」を上梓。競馬のよき語り部としての研鑽を積んでいる。

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