競馬最前線/矢野吉彦

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混沌としている覇権争い

2017年02月18日(土)12時00分

注目数:20人


◆“遅咲き”の馬は勝てない?

 今週はフェブラリーS。大阪杯とホープフルSが昇格して年間計24レースとなったJRAのG1シリーズがいよいよ始まります。

 さて、ここ数戦のダートグレード競走の結果を見ると、その覇権争いは混沌としています。昨年秋の南部杯まではコパノリッキーがリードしていましたが、それ以降はJBCクラシックでアウォーディー、チャンピオンズCでサウンドトゥルー、東京大賞典でアポロケンタッキー、川崎記念でオールブラッシュが優勝。どの馬がどこに出るかによって様相が異なるものの、レースごとに勝ち馬が入れ替わっていますからね。

 中でもとくに目立つのが“G1初制覇”。ホッコータルマエが引退し、コパノリッキーが勝てなくなって、そういうことがたびたび起きるようになってきました。今回のフェブラリーSでも、“G1未勝利馬”は要注意かもしれません。

 フェブラリーSがG1に昇格したのは1997年のこと。したがって、去年がちょうど20回目でした。この間、コパノリッキーが連覇しているので19頭の優勝馬が輩出されています。

 その19頭が、デビュー何戦目で重賞(指定交流を含む)を勝っていたか、を調べてみました。一番多かったのが、アグネスデジタル、サクセスブロッケン、トランセンド、コパノリッキー、モーニンの5頭で6戦目。あとは、3戦目、7戦目、8戦目、10戦目が2頭ずつ、4戦目、9戦目、14戦目、26戦目、34戦目と地方馬が各1頭となっています。

 もうちょっと大ざっぱにくくってしまえば、6〜8戦目が9頭で半分近い47%強。11戦以上要したのは3頭だけですので16%弱。さすがにG1だけあって、重賞未勝利馬は勝ったことがないということもわかります。

 それじゃぁ、今年の出走メンバーは?エイシンバッケンとキングズガードは重賞未勝利で、過去の傾向からするとこの2頭が勝つのは難しそうです。さらに、11戦以上かかった馬が、インカンテーション=11戦目、アスカノロマン=19戦目、カフジテイク=22戦目、サウンドトゥルー=29戦目と、人気になりそうな馬を含めて4頭います。“遅咲き”の馬は勝てない、というわけではないものの、この4頭から勝ち馬が出る確率は高いとは言えません。

 一方、最も確率が高い“6戦目で重賞を勝った馬”は、コパノリッキー、モーニンとベストウォーリアの3頭です。7戦目はノンコノユメ、ホワイトフーガと地方デビューのニシケンモノノフで、8戦目はブライトライン。これら“高確率組”の中から、最近の成績や性齢などを考え合わせると、6戦目の3頭にノンコノユメを加えたあたりが有力候補と見ていいんじゃないかと思います。

 こんなことを調べたのは、カフジテイクが22戦目の前走で重賞初勝利を挙げたとたんに、人気を集めそうだから。同馬やサウンドトゥルーが勝てば、それはそれでめったにない“快挙”になるってことです。
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コラムニストプロフィール

矢野吉彦
矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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