船橋の名伯楽であった川島正行調教師が逝去されて今日で丸三年。
人生にも競馬にもタラレバは禁物だが、師が病に倒れなければ現在69歳。
今もきっと続々と名馬を輩出し続けていた事だろう。

今夏、久しぶりに師の名前をニュースで見た。
第19回ジャパンダートダービーを生え抜きの地方馬ヒガシウィルウィンが勝利。
地方勢としては2010年第12回優勝のマグニフィカ以来７年振りの勝利。
マグニフィカは川島厩舎の馬であり、マグニフィカの前に地方勢で勝利したフリオーソもまた川島厩舎所属であった。

ハイセイコー、オグリキャップ、メイセイオペラ。
20世紀には中央勢に伍して戦える名馬が断続的に出現していた。
しかしながら近年、中央と地方の格差は広がる一方で交流重賞も興業以外の側面ではその存在意義が疑わしいものになっている。

それでも川島厩舎からはアジュディミツオー、シーチャリオット、ナイキアデライト、
フリオーソ、キタサンテイオー、サプライズパワー、ナイキハイグレード、
マグニフィカなど活躍馬は数知れず、地方競馬に馴染みの無い中央競馬ファンにも名の知れた名馬を多数送り出した。
東京ダービーは通算５勝。調教師として最多勝をあげていた。

また地方競馬調教師として中央競馬のみならずドバイに挑戦するなど、他の地方競馬調教師とは確実に一線を画していた。
2014年9月７日享年66歳。定年まであと４年もあった。さぞや無念だった事だろうと思う。

衰退の一途をたどる地方競馬界には、もう川島さんの様な凄い調教師は現れないような気がする。
それでも心の何処かで地方競馬に光射すスーパーホースを携えて川島先生を超えるような調教師が現れる事を心の底から望んでもいる。