勝率37.8%、連対率50%と驚異的な成績
高知で期間限定騎乗中の吉原寛人騎手が、存在感を示している。
金沢競馬場が休催となる冬の間、吉原騎手は例年であれば南関東で期間限定騎乗しているが、南関東では今年度(2021年度)、さらに来年度(2022年度)も、コロナ感染拡大防止の観点から、期間限定騎乗の受け入れ中止を発表している。それゆえこの冬は高知での期間限定騎乗となった。当初は3月20日までの予定だったのが、3月30日までの期間延長が発表されている。
かつて高知競馬での期間限定騎乗といえば、南関東などで騎乗機会の少ない若手騎手が、いわば修行の場として来るところだったのが、今や地方競馬を代表する騎手が乗りに来るようになった。高知競馬は、賞金面をはじめとして、馬のレベルなども、トップジョッキーが勝負できる場所になったということ。こうしたことでも過去になかったほどの売上上昇を感じさせられる。
それにしても1月9日から高知で騎乗している吉原騎手の成績がすばらしい。2月27日現在、82戦31勝、2着10回、3着10回。高知リーディングでは、83戦23勝で2位の赤岡修次騎手を引き離してのトップだ。所属先が、昨年3度目の全国リーディング・トップとなった打越勇児厩舎だからということもあるが、勝率37.8%、連対率50.0%という数字にも驚かされる。
今回の高知だけでなく、吉原騎手が期間限定騎乗中に、その競馬場(地区)でリーディングのトップに立つのも、当たり前のことのようになっている。
吉原騎手は2011年からほぼ毎年のように、南関東でおおむね正月から2月までの2カ月間、期間限定騎乗してきた。その2011年以降、1〜2月の2カ月間の南関東のデータを見ると、4年目となった2014年には47勝、2015年には58勝で、南関東リーディングのトップに立っている。
吉原騎手の高知競馬での期間限定騎乗もあと1カ月だが、馬券の狙いどころをデータで見てみよう。
ここまでの82戦で、騎乗回数でもっとも多いのは当然のことながら所属する打越勇児厩舎で、同厩舎所属馬の騎乗に限ると、56戦して27勝、2着8回、3着6回。勝率は48.2%、連対率62.5%。さすがに地方競馬の最強タッグは信頼度が高い。
騎乗馬の脚質別で見ると、逃げが16戦8勝、2着2回、先行が24戦12勝、2着1回。ともに勝率はちょうど50%となっている。
つまり、吉原騎手が打越厩舎の先行できそうな馬に乗ったときは、かなりの確率で馬券にからむ、ということになる。ただ当然のことながら人気上位であることが多いので、馬券をどこまで絞れるか、そこが難しい。