▲ドルチェリアでは思わず叫んだわ(笑)
今回の『太論』は、先週のレース回顧です。3頭が横一線の追い比べとなった土曜日のドルチェリア、そして日曜日のニホンピロスクーロと、白星こそ挙げられなかったものの、収穫&見どころは十分! どちらの馬も「ホントに楽しみ」という小牧騎手。レースを振り返りつつ、今後の手応えを語ってくれました。(取材・文:不破由妃子)
思わず、「クソーッ!」って叫んだわ(笑)
──さっそくですが、土曜日のドルチェリア(中京12R・瀬戸特別・4番人気2着)。直線は手に汗握る追い比べで、疲れました…(苦笑)。
小牧 勝ったと思ったんやけどねぇ。直線、ずーっとアタマだけ前に出ていたから、ゴールまで持ったと思った。だから、勝ったつもりで引き上げていったんやけど2着で…。余計にショックが大きかった。笹田先生とふたりして、思わず「クソーッ!」って叫んだわ(笑)。
──そうでしたか。抑え切れたという手応えがあったんですね。
小牧 うん。僕の体は前に出てたもん、完全に。
──勝った(藤岡)康太騎手とは、「どっち?どっち?」みたいなやり取りもなく?
小牧 なかったよ。だって、僕は僕で勝ったと思っていたし、向こうは向こうでたぶん負けたと思っていたはずやから。ホンマにショックやったわ。でも、だいぶいい競馬ができるようになってきたね。
──前走後、「次は思い切った競馬をしたほうがいいかもしれん」とおっしゃっていたので、どんな競馬をするのか注目していました。
小牧 今回は初めて叩いていきましたわ。馬もそれに応えてくれたし、イメージ通りに乗れたね。
──押して好位の外目3番手。人気2頭を見ながらの絶好のポジションでしたものね。
小牧 うん。1番人気の馬が真横にいたから、早めに仕掛けていってね。もともと大崩れのない馬やけど、ああいう競馬ができれば、これからもチャンス十分やね。
──前走はマイナス12キロで、今回がプラス8キロ。馬体重の変動が激しいタイプのようですが、何かそれにつながる弱さがあるんですか?
小牧 いや、そんなことはないんやけど、確かに今回は、もうちょっと絞れてもいいかなと思った。体でいうと、前回が一番よかったからね。今回も十分頑張ってくれたけど、もう少し絞れてくればもっと動けるんちゃうかな。
──ドルチェリアは、小牧さんが調教をお手伝いしている笹田厩舎の馬ですが、普段はどんな馬ですか?
小牧 ちょっと怖がりなところがあるけど、普段はおとなしい馬だよ。でも、レースに行くとうるさいです。なんせエンパイアメーカー産駒やからね(苦笑)。ゲートが悪いから先入れで。だいぶおとなしくなったみたいだけど、最初はもっと癖馬だったらしいよ。
──そうなんですね。ということは、ここにきて心身ともに整いつつあると。
小牧 そうやね。いい競馬ができるようになってきたし、ホントにこの馬は楽しみや。
──日曜日のニホンピロスクーロも、昇級初戦で見どころのある競馬でしたね(阪神6R・3歳1勝クラス・7番人気5着)。
小牧 1着の馬は抜けてしまったけど、普通に外に出せていたら2着くらいはあったね。もともと1勝クラスでもやれると思っていたし、今回もひょっとしたら…っていう気持ちで乗っていたけど、道中で気の悪さが出てしまって。
──確かにポジショニングが悪くなるシーンがあって、万事休すかと思ったのですが。
小牧 ガーッと天井向いたんですわ。砂を被っても平気なはずなのに、この前はなぜか嫌がって。でも、下がってから直線で盛り返したからね。やっぱり走るなと思った。まぁ、2走前といい、今回といい、気の悪さが出始めたのは気になるけど。
──2走前というと、ゲート内で立ち上がった件ですね。
小牧 そうそう。ゲートに向かうときも、突然止まったりして。スタッフに聞いたところによると、攻め馬でもちょっと気の悪いところを見せ始めたらしい。このあとはちょっと休むらしいから、まぁ一服してからやね。
──昇級戦で初めての1400mだったわけですが、距離的な感触は?
小牧 1800mよりは1400mのほうがいいと思う。そういう話をさせてもらって、この前はあそこを使ってもらったんやけどね。この馬もホントに楽しみですよ。走ってくるよ、きっと。
「ニホンピロスクーロも走ってくるよ、きっと。」