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身動きが取れなくなったら…

  • 2008年07月02日(水) 12時07分
 視点を変えて見てみる、そうすると新しいことに気付くことがある。思いがそこにいたるというのか、感づくというのか。

 年に一度しか会えない彦星と織姫を可哀そうと思う一般的な感情も、数十億年もあるという星の寿命に目を転じれば、必ずしもそうとばかりは言えなくなる。何十億回と出会える彦星と織姫に対して、人間の場合は、夫婦が50年連れ添ってもわずか2万回足らずしか会えないのだ。

 私どもの人生は、見ようによっては恐ろしいほど短い。こう思えば、日々がどれほど貴重であるか、気付く。

 視点を変えることの大切さがどれほどのものであるか。発想を転換させることで見えてくるものが、如何に大きいか。これは、別の面でも私どもをサポートしてくれている。

 何かに行き詰ったらそこから目を離し、別な見方に切り替える。いつまでも突き詰めてばかりしていると、迷路から抜け出せずにもがくばかりだ。

 毎週、レースに立ち向かっていると、この視点を変えるタイミングの難しさを痛感するのだが、巧くいったときの心地よさといったらない。梅雨時で雨が降り止まぬ馬場を見つめていると、ふと、それまでとは異なる思いが頭をもたげ、心を揺さ振る。そんなとき、思い切って視点を変え、全てをご破算にしてみるのだ。そこから生まれる発想が、勝利に導いてくれることはよくある。

 今の競馬には8種類の馬券があり、どれをチョイスするかも馬券作戦だ。心に引っかかる馬が出てきたら、それこそしめたもの。あまりにも人気がなかったら、ワイド馬券という手があるではないか。2種類の的中が出たら上出来、配当だって馬鹿にできない。先日の宝塚記念、道悪だからとインティライミを買ってみたら、結構面白い思いをすることが出来た。身動きが取れなくなったら、視点を変えて見てみる。その発想が重要だ。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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