スマートフォン版へ

うらかわ馬フェスタ2008

  • 2008年07月29日(火) 23時49分
  • 0
 7月は「八戸市場」に始まり、「セレクトS」そして「セレクションS」と3週連続で市場が開催され、26日(土)と27日(日)の2日間は浦河で「うらかわ馬フェスタ2008」が行なわれた。どう考えても過密スケジュールで、私事で恐縮だが、やや疲れが溜まってきている。

 「うらかわ馬フェスタ」は、以前、別個に開催されていた「シンザンフェスティバル」と「浦河競馬祭」が合体し、この時期(7月最終土日)に合同で開催されるようになった。

 今年は幸い、2日間とも好天に恵まれ、JRA日高育成牧場内に設けられた特設会場には多くの人々が詰めかけた。

恒例のGI優勝馬生産牧場表彰

 26日の初日は恒例のGI優勝馬生産牧場表彰やミスシンザンの発表、馬上結婚式などが行なわれ、会場を埋めた多くの来場者は、ビール片手にジンギスカンを食べながら、夏の一夜を愉しんだ。陽が落ちると気温は20度を切り、半袖ではいくぶん寒いくらいのコンディション。本州の人々には申し訳ないほどの快適さで、この時期になると多くの人々が北海道を訪れたくなるのも当然である。

第23代ミスシンザン

 今年の第23代ミスシンザンは、山本麻衣さんと小田尚子さんの二人。両人は来年1月に京都競馬場で行われる「シンザン記念」のプレゼンターとして競馬場に出張することが決まっている。

 また、GI優勝馬は浦河町内産馬に限定しての表彰だが、今年はディープスカイ(笠松牧場)とサクセスブロッケン(谷川牧場)という芝とダート両方のダービー馬を輩出し、その他、メイショウサムソン(天皇賞・秋、林孝輝牧場)やフジノウェーブ(JBCスプリント、笹島政信牧場)、エイシンデピュティ(宝塚記念、栄進牧場)と、近年にないほどの“豊作”となった。期間は前年のフェスティバルから一年間の間に優勝した町内生産のGI馬が対象である。

馬上結婚式

 馬上結婚式では、多くの応募者の中から選ばれた二組(野口浩さん・さおりさん=名古屋市、菊田修さん・由美子さん=福島市)が儀礼馬車にて登場し、観客から盛んに祝福を受けていた。

 舞台ではこの後「琉球民族舞踊・じゅり馬」が披露され、午後9時に初日の幕を閉じた。

 翌27日は、メーン会場横にある1600m馬場を使用しての「浦河競馬祭」も同時に開催され、二つの会場を行き来する多くの家族連れや競馬ファンで賑わった。

花園ゆきさんと宮川一朗太さん

 私事ながら、この日、メーン会場にて初めて「トークショー」なるものに出していただいた。司会は花園ゆきさん(FM北海道・パーソナリティ)。そして関西で長らく競馬番組のキャスターを務めて来られた宮川一朗太さんをゲストにお招きし、そこに私が加わる構成である。会場内だけで聞くには勿体ないくらいに宮川さんのお話は面白く、例えば佐藤浩市さんや水谷豊さんなどがどれほど競馬好きであるかというようなことを詳しく伺った。やや競馬人気が下降して来ている現在、こうした芸能人の口から競馬の魅力を世間の人々にもっとアピールしていただくのは効果が大きいと思うのだが、いかがなものか。なお、宮川さんと花園さんのブログにはさっそくこの時のことが写真入でアップされている。そちらもぜひご覧いただきたい。

浦河ダービー

 ところで私事ついでにもう一つ。この日、行なわれた「浦河競馬祭」に我が娘も出走し、ついに1着を取った。騎乗馬は「メルモ」号。午前中のスプリント戦(300m)に続いて午後の「浦河ダービー」にも優勝し、本業ではついにダービー馬を生産できなかったが、小学校5年生の末娘がダービージョッキー?になってくれた。

 とはいうものの、馬も勝負服も借り物ばかりで、娘はただ「栄光の舞台」をお膳立てされたに過ぎない。だが、こうした経験を通じて、学校教育にはない緊張感と喜びを存分に味わったことだろう。子供の頃から馬に乗れる環境は、日高でも決して十分とは言えず、今後の生産地の大きな課題である。馬文化の底辺拡大を考えるならば、乗馬普及をどうやって進めて行くかを考えなければならない。乗馬を始めるのはできるだけ早い方が良く、その実例を今回多くの子供たちから学んだ気がする。

 もちろん、まず調教の出来たポニーを管理し、練習に供する保護者のバックアップがあってこそ、初めて成立するのだが…。いずれまた機会を見て、子供の乗馬普及については触れたいと思う。

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング