私の馬券スタイルは、基本的に馬を見ることなのですが、もちろん馬体だけで競馬をやっているわけではなくて、その裏付けとして様々なファクターを考慮しています。
血統、時計、馬場など複数の項目に渡って研究を重ねているわけですが、これらを見ていく時に意識するのは、どのように活用すれば穴馬券を獲れるのかということです。
例えば、ここでいつも解説している適性についても、単純に適性の高い馬だけを買い続けていると、的中率は伸びますが、回収率は大きくは伸びないでしょう。適性について意識しないよりはもちろん伸びますけど、それでもトータルで収益を上げていくレベルまで持っていくには相当の精度が必要になります。
逆に、そこまでの精度がなくても儲けていくことは可能です。それは適性について「変化」に注目すれば良いのです。要するにこの場合は「条件替わり」ですね。
例えば、短距離に適性のある馬が前走で中距離に使われて惨敗しているような場合、よほどの短距離実績がない限りは今回人気になることはないでしょう。ただ、前走は条件が合わずにスタミナ切れして惨敗しただけなのに、今回人気を落としているというところに妙味があるのです。今回は人気を落としているわけですが、その馬が持てる能力を発揮できる短距離ですから、前走とは違う結果が出る。即ち、人気薄で「勝つべくして勝ってしまう」様な事があるわけです。
例えば、先日復帰した
カネヒキリなんかは、デビューから2戦を芝のレースに使われて惨敗を喫していました。次のレースでは、休養明けということもありましたが、全く人気もなく、単勝オッズは59.5倍という人気薄でした。しかし、結果は2着に7馬身差をつける圧勝。この大きな変化はもちろん「条件替わり」よるものなのです。
このことをまとめると、「カネヒキリは適性のあるダートのレースで圧勝したが、デビューから2戦を適性のない芝のレースで惨敗したことで大きく人気を落としていた」ということなのです。
このように適性に関しては、その条件の移り変わりによる「変化」に着目していれば、大穴馬券を本線でしとめる事も可能です。馬券で勝っていくためには、穴馬券を高確率で当てることが最も効率が良いのは明白でしょう。それを実現するには、このような「コツ」を知っておくことが大切です。
このコツというのは「不当に人気が落ちている可能性があって、実際にはその要素は存在しない、または影響が少ないというもの」ですね。これらは条件替わり以外にもいくつかあるので、その例を挙げておきましょう。
・休養明け
現在は調教技術が発達していますし、長期休養明けであってもいきなりから勝ち負けになることがよくあります。馬券のリキサンポイントは1年8ヶ月くらいの休養明けでしたが、パドックで確認した姿は筋肉の張りが良く、キッチリと仕上がっていました。また、最近は外厩のように使われる、グリーンウッドや宇治田原優駿ステーブルなどの存在もあり、「放牧明け」と表記されていても、バシバシ調教されていることがあります。パドックでの馬体確認の重要性が更に高くなっている時代ですね。
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レース結果】リキサンポイント 単勝2650円 複勝670円
・新聞のコメント
これも不当人気を下げる要素です。新聞等に掲載されている厩舎コメントの類は、当たり障りなく書かれていることばかりだから、泣いている(自信無さげな)時はよほど自信が無いと思われがちですが、意外とこの解釈は間違っています。馬は生き物ですし、管理馬もたくさんいるわけですから、調教師も完全に把握できているとは限らないのです。
特に実績のある馬について、「輸送で減りそう」とか「調子が上がってこない」というようなコメントは、意外と走ることが多いので、人気を落とす分むしろ買い材料です。これも馬体を確認できればベストですね。
・展開(馬場)が合わずに負けた馬
内伸び馬場での差し馬とか、外しか来ない馬場での逃げ馬なども不当に人気を落としている確率があります。
・血統に対する固定概念
「サクラバクシンオー産駒だから距離延長で買えない」とか思われているのに、実際に体型を見ると普通に中距離馬というような事もよくあります。これは新馬とか、若い馬に良くある話です。
特に、芝の新馬戦では、非力過ぎて調教駆けしない、しなやかな軽いタイプが、調教で評価を下げられている分穴で激走することが多いですね。
・障害明け
元々、平地でのスピード不足で障害入りする馬が多いので、障害から帰ってきた馬は完全に無視されがちですが、たまには好走する馬もいます。特に、トモが甘かった馬が障害を使われたことで変わり身を見せる(トモがパンとする)ことがありますので、注意を払っておくといいこともあります。
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レース結果】4番メイショウラダックが障害帰り 3連複4-6-9:6,490円
他にも色々ありますが、今回はこれくらいで。このコラムの下にある「次走の激走候補」を読んでもらえば、実戦的にこれらの考え方を使っているので、より理解が深まると思います。
馬体を見なくても、穴が出る原理を考えて、それに対して有利な馬券を組んでいけば、いい馬券・いい回収率を得られると思いますよ。
【次走の激走馬】
メイショウタカチホ(未勝利5着)
新馬戦は付いて行けず、1着馬に2秒以上離される惨敗。2戦目も2.0秒離される惨敗は喫していたが、いったんは3番手に付ける先行力を見せていた。そして今回は太め残りながらも、返し馬では小気味良い動きを見せていたし、レースでも2番手に付けてよく粘っていた。次走、絞れてくれば馬券の圏内まで来そうだ。
トゥリオンファーレ(新馬戦4着)
今回は仕上がり自体余裕残しも、背中がしっかりしていてなかなか良い馬。ここでは確勝かと思わせるだけの器はあった。ただ、レースでは後方にさげ過ぎて、仕掛けも遅い。しかも1000mの通過タイムが63.9秒というスローペースだったので、完全に脚を余して負けてしまった。次走は確勝だろうし、先々はクラシックに乗ってくる馬だ。
ツルマルネオ(新馬戦2着)
このレース自体レベルが高かったが、この馬も良い馬だ。ツナギが長くてしなやかだし、ネオユニヴァースの良い柔らかさを受け継いでいる。今回は明らかに太かったし、惨敗して次で狙うという計算をしていた馬だが、そのような状態でも2着に好走したあたり、かなり能力はある。これもクラシック戦線に台頭してきそうだ。
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