今週から阪神開催と中山開催が始まります。開幕週は通常難しいと思われがちですが、コース替わりでの適性の変化や、芝コースの前残りなどによって、多くの穴馬が好走する傾向にあります。これらの穴馬を拾う術を持っていれば、開幕週はドル箱に変わりえるのです。
今回は京都→阪神と東京→中山のコース替わりで有利になる馬、逆に不利になる馬を中心に解説していきましょう。
☆坂のあるコースで有利な馬・不利な馬
阪神・中山の特徴で共通するのは、「ゴール前に坂がある」ことです。京都や東京でも坂はありますが、東京はゴールよりかなり手前、京都は道中にあるので、かなりその意味合いは変わってきます。
ゴール前に坂があるコースは、死力を振り絞って限界に近いところで坂があるので、体に対しての負担がかなり掛かります。そのようなコースでどんな馬がスイスイと坂を駆け上がれるかというと、構造的には「腰高」の体型の馬の方が良いでしょう。後ろが高いわけですから、自然と前に推進する造りになっていますし、前脚が短い分良く回転して、小気味良く坂を上がってくることができます。
逆に、腰の角度が垂れていて、後ろ脚のバネだけで走っているようなタイプの馬にとっては、ゴール前の坂は不利な材料になります。
あと、腰の角度にも通じるところがありますが、飛節が曲飛節だと直線に急坂のあるコースではかなり不利になります。スペシャルウィーク産駒などにはこういった曲飛節の馬が多いので、人気を背負っていても必ず確認してから馬券を購入する方が良いと思います。特に、曲飛節で飛節に力のない(踏ん張りが甘い)馬に関してはほとんどが坂で失速するので注意して下さい。
☆逃げ・先行・ポケットが有利
これは常識的なことですが、開幕週の馬場(芝コース)では逃げ・先行が有利です。競走履歴で逃げ・先行した経験のある馬を探すのは当然有効ですが、馬体から先行馬を見つけるとすれば、やや腰の方が高い体型で、後ろのツナギが立ち気味の馬を選ぶと良いでしょう。
また、特においしい馬は、内枠(4番くらいまで)を引いて、内で脚を溜められるタイプの先行馬です。私はポケット馬と呼んでいますが、つまり逃げ馬の直後くらいのインコースにつけて、直線で前を交わすタイプの馬がそれに当たります。こういった馬は開幕週の馬場では特に有利になりますので、今までの成績が多少悪くてもビシッと狙いたいところです。
☆馬場の質の違いを利用する
今開催の京都コースは異常に砂が軽い状態でした。このような馬場ではパワータイプの本来走るべきダート馬たちが全く力を出すことができませんでしたが、阪神開催は砂質が重くなることが多いので、パワータイプのダート馬たちが狙い目になります。
今週の土曜日は1レースに1400mのダート戦が組まれていますが、これのタイムが遅かったり、パワータイプの馬ばかり好走しているようなら、この開催はパワータイプの馬がポンポン穴をあける開催になるでしょう。
以上、開催替わりで穴を取るための簡単なポイントを書きました。この手の馬を探して、この週末はしびれるような穴馬券を獲ってもらえればと思いますし、私自身も獲っていければと思います。
【次走の激走馬候補】
サインゴールド(醍醐S・11着)
近走は大崩れしているが、馬体自体は決して悪くない。そう思い、馬場が良くて1200mなら好走できると思って買った今回のレースでは、直線で前が開かずにレースにならなかった。あれが実力ではない。手応え自体は良かったし、次走阪神か中京の1200m戦なら一発がありそうだ。
アンライバルド(京都2歳S・3着)
今回はテンションがちょっと高め。パドックでもチャカつきが目立った。ただ、体は半端でない筋肉や関節の柔軟性を感じさせたし、芯が入ってくれば必ずG1戦線で活躍するようになる馬。今回は乗り方もスムーズさを欠いたし、武豊タイプのような当たりの柔らかい騎手に替わったほうが良さそうだ。
アグネススターチ(ウェルカムS・6着)
柔軟な筋肉が程よく付いて、良い感じの馬体になっていた。今回はそれ程早くないペースで逃げることができたが、後続に直線半ばで捕らえられてしまった。関節の可動域が大きく、ツナギなども柔軟で長いので、距離ももっとあった方が良い。2400m以上のレースに出走してくれば狙いたい。
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