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頭を切り替える習慣を身につければ…

  • 2008年12月10日(水) 23時50分
 競馬の中には、人がかかりやすい病の処方箋がかくされていると、毎週自分を鼓舞している仲間たちがいる。本人は気づいていないのだが、そう見えてしまう。

 万事が面白くないと不平や不満ばかり述べると、そこに残るのは厭世観だけ。少なくともここに集まる者たちは違う。人込みの中にいて、知らぬ間に癒されているのだ。

 ここに集まる者は、自分に背中を向けることはない。自分に愛想がつきることも少ないと思う。なんとかしようと一生懸命だから、心がいつも動いている。こういうときの言葉はなかなか大げさで、楽しいのだ。

 普段、頭の中で理屈ばかり捜している人間がいる。時がたつにつれ頭の中は空回りばかりするから、楽しそうでない。愚痴っぽくなるし、なんでも現実を否定ばかりする。とても側にはいられない。自分ひとりで落ち込んでいくならそれでいいが、矢鱈と他人を巻き込もうとするから、よろしくない。

 競馬の中での処方箋とはと考えるとき、こうした理屈や理論から解き放たれた気分、そこから生まれるウイット、これこそ処方箋の役割を果たしているのではないかと思い続けてきた。ウイットは、頓智であり機知でもあり洒落でもあるから、正に生き抜くための必要条件。誰だってわかっていることだ。

 これを競馬と結びつけて何になると言うものがあれば、まだまだこの先、難行苦行が待っているとしか言いようがない。

 ウイット、レース検討の中にこれを注入してみると、これまでにない発想ができる。逆に言えば、それが浮んでこないときにはいい結果にはならない。ひとつ事を深く追求しすぎない、迷路に入りそうになったら入り口で引き返す、もっと違う発想がある筈だと頭を切り替えるのが肝要。この習慣が身についたら、それこそ競馬の達人であり、やがて人生の達人へと進化していける。大げさな言葉を駆使し楽しむことが、その第一歩になる。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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