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スペシャルウィーク産駒について

  • 2008年12月15日(月) 17時00分
 昨日の阪神ジュベナイルフィリーズは、1番人気のブエナビスタが圧勝しました。この馬は兄のアドマイヤオーラと同様、非常に造りが軽くて筋肉や骨の量に無駄がありません。また、ツナギが柔らかくて軽く、また反発力も凄い。もはや見ていて気持ち悪く感じるくらい凄い素材です。レースでも後方から進んで、大外から楽々と差し切って見せました。滅多にお目に掛かれないようなタイプの馬で、現2歳牝馬同士のレースでは負ける場面が想像できませんね。

 さて、このブエナビスタもそうですが、牡馬でクラシック候補として騒がれているリーチザクラウンもスペシャルウィークの産駒です。他にも先日未勝利戦を勝ったトゥリオンファーレもいますし、ネオユニヴァースなどと並んで、今年のクラシック路線の中心を形成する種牡馬の1頭であることは間違いないでしょう。

 そこで今回はスペシャルウィーク産駒の特徴を解説しておきます。スペシャルウィーク産駒の最たる武器は、しなやかで持久力のある筋肉です。これがサンデーサイレンスの後継種牡馬の中で、最も長い距離をこなせる所以でしょう。また、この筋肉は密度が高くて無駄な量がないため、持久力勝負の遅い馬とは違ってスピードでも見劣りすることはありません。まさに長く良い脚を使える造りで、今年の活躍馬たちは皆この特徴を受け継いでいます。

 他にはツナギが長くて柔軟であることも大きな特徴と言えるでしょう。例えばブエナビスタはアドマイヤオーラの半妹ですが、アグネスタキオンを父に持つアドマイヤオーラとスペシャルウィークを父に持つブエナビスタとでは柔軟性が違います。兄の方はツナギの角度が立ち気味で、柔軟性もあまりないので、その分あまり長いところの距離をこなすことができません。また、使える脚も鋭さはあるものの時間的には長くは使えません。

 ブエナビスタの方は父スペシャルウィークの良い特徴を受け継いで、ツナギが柔軟で長さもあるので、長く良い脚を使えますし、また距離も長いところまでこなすことができます。

 あともう一つ目立つ特徴は、飛節の折が深くて曲飛節に出る馬が多いということです。曲飛節の馬は折が深い分一つの動作が大きいので、これも長い距離をこなすことができる要因の一つとなります。また、狭いコースよりも広いコースの方が合っています。

 これらがスペシャルウィーク産駒の主な特徴です。もちろん、これらの特徴はスペシャルウィーク自身も持っている特徴です。スペシャルウィークの映像はJRHAのStallions in Japan 2008で見ることができますので、上の説明で挙げた点を考慮しながら見ていけば良く理解することができると思います。

【次走の激走候補】
エーシンジーライン(境港特別7着)
 今回はゲートであおって、その後横の馬と接触。ポジションをちゃんと取れなかったのが大きな敗因。ただ、中団待機の形になったが、折り合ってスムーズに運べたのは収穫。今回は休み明けの分伸び切れなかったが、一叩きされた次走は大きく変わってきそうだ。

ヒカルカザブエ(元町S1着)
 このレースには菊花賞4着のスマートギアが出走していたが、それと比べると断然こちらの方が好馬体だった。柔らかい、バネ感のある筋肉を豊富にまとっているし、これは相当の素材。まだ気性が幼いのが弱点だが、それでいてレースではキッチリと結果を出した。将来は重賞を勝てる器だろう。

デンコウテンパイ(2歳未勝利9着)
 曲飛節で軽い造りの馬。今回の力の要る阪神ダートコースは合わなかった印象だ。馬体は使いながら良くなっているし、力的にはこのクラスを卒業できるものは持っている。次走、芝のレースに使われるか、京都の軽いダートなら巻き返しは十分に期待できる。


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中央競馬で全レースのパドック・返し馬を徹底観察。繋(つなぎ)や蹄、体型、骨量、筋肉の量・質、関節の柔軟性や、脚元、馬具などのデータを採取。そこから競走馬の能力、適性などに加え脚質も見抜き、馬券を組み立てる。パドック派にありがちな本命予想ではなく、複勝で10倍を超えるような穴馬を見つけるのが得意。

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