国語力をつけなければと、ようやく世の中が動き出したようだ。競馬ファンとてその一員なのだから、正すべきところは正すの精神を大切にするのは当然。それがどうしたとは言わずに、世の中の先頭に立とうではないか。言葉がしっかりしていれば、ものの考え方もきっちりしてくるし、説得力もつく。もしかしたら、推理する力だってつくかもしれない。とにかく、基本は言葉なのだから。
国語の力がつけば、理科、数学の理解も深まるという傾向も見い出せるそうで、そこまで言われたら、ぼんやりしていられない。
近ごろ、スタンドにいてもよく耳にする誤った言葉遣い数ある中で、これは言及しておかなくてはと思うものがある。聞いていて気分が良いとか、心地よいという意味で使っているのでしょうが、「耳ざわりがよい」という表現。放送席でも、時折耳にとび込んでくる。耳ざわりとは、耳障りと書くのであり、聞いて気にさわるという意味。使い方は、耳障りな話、耳障りな雑音といった具合。耳ざわりがよいとは、到底言えるものではない。
折角、レースの話で盛り上がっているのに、突然、こんな言葉のフレーズが出てきたのでは、それこそ耳障り。気になって気になって、そこで意識や思考がストップしてしまうのだ。
漢字、ひらがな、カタカナと、わが祖先は素晴らしい文字を生み出してくれた。これにより、私どもの日本語は、他にない微妙なニュアンスを醸す言語となっている。情況に応じて様々な言い方があり、中には、競馬場にいるからこそ使える言葉だってある。これに、さらにローマ字も加わってきて、海外のものも見事に取り込んでみせた。
欧米のルールを取り入れた競馬は、それこそ今ある全ての文字を駆使している。私どもは知らず知らず、それらを使いこなしているのだ。ちょっと気をつければ、国語力というレースの先頭集団にいることができる筈だ。
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