競馬は先行有利。誰もが知っていることだと思いますが、これを馬券作戦に生かすのは意外と難しいと思います。一般的に先行馬を見分けるには新聞の過去成績欄を見て、近走で先行している馬を選ぶでしょう。これである程度先行する馬を把握することはできますが、その方法で見つけた先行馬に馬券的な妙味があるかと言えばあまりないといわざるを得ません。何故なら、「先行が有利」ということを多くの競馬ファンが知っていて、それがオッズに反映されるからです。だから私はこの方法で先行馬を見つける方法をあまり推奨しません。
先行馬で妙味があるのは、「逃げたことがない馬が逃げる時」です。例えば、新馬戦で逃げる馬が分かれば、高い回収率を得ることができます。これを見分けるポイントは馬体にあるのです。当然百発百中で分かるわけではありませんが、高い確率で逃げる馬や先行する馬を選ぶことができます。
以前、開幕週の対策を書いた時に少しだけ触れていましたが、先行しそうな馬を見分けるポイントは全体のシルエットと後肢の造りにあります。
「やや腰の方が高い体型で、後ろのツナギが立ち気味の馬」
「トモの肉付きがしっかりとしている馬」
これがキーポイントです。要するに、ゲートが開いてダッシュする時に、すぐにスピードに乗れる造りになっている馬を選ぶのです。後ろのツナギが寝ていて、更に重心が後ろにいっている様なタイプの場合は先行できないことが多いですし、しかも構造的にゲートが遅くなりやすい危険性まではらんでいます。
逆に腰の方が高い「腰高」の馬の場合は最初から重心が前目にあるので、一完歩目がスムーズに出やすく、早くスピードに乗りやすい造りになっています。だから先行しやすいわけです。
あともう一点重要なのはトモの肉付きです。馬は後肢の蹴りで推進力を作る動物ですから、この蹴りの原動力となるトモが緩いと、スピードに乗るまでに時間が掛かって先行することはできません。
これらのポイントが伴っている馬は、レースに行って先行してくれる可能性が高いです。
写真はちょっと古いですが、先行力が優れていた
メイショウボーラー(上段)と追い込み脚質になった
ウインクリューガー(下段)です。両者の後肢を見比べれば、どちらが先行力のある馬か一目瞭然だと思います。
年明けの京都は開幕週なので、いつもよりも先行馬が有利になります。新馬戦ももちろんですが、他のレースでも「逃げたことがない今回逃げそうな馬」をうまく拾えば、思わぬお年玉が落ちていると思います。
【次走の激走候補】
メジロガストン(ハッピーエンドカップ 10着)
いつも良く見せるタイプの馬だが、今回は特に良く見せていた。レースではスムーズに追走して、直線で弾けそうな手応えだったが、坂に入ったところで脚色が鈍り、結果は10着と惨敗。腰が甘い後ろ重心の体型なので、中山の坂がこたえた感じだ。直線が平坦なコースなら巻き返せる。
ベンチャーナイン(有馬記念 10着)
以前から馬体は目立つ馬だが、今回は古馬のGIメンバーに入っても見劣りしないくらい良くなっていた。コースや馬場が今回は合わなかった感じだが、京都や阪神、東京あたりの重賞に出走してきたら十分にチャンスはある。来年の飛躍を期待。
エイワナギ(古馬1000万下 4着)
筋肉の張りが良くなっていて、返し馬でも良い動きを見せていたように、馬自体が良くなってきている。レースでも中団待機から直線でよく差してきていた。今回は余裕残しのデキだったし、絞れれば更にやれる。次走は前進を期待できるだろう。
競馬総合チャンネルでは、毎週火曜日に特別登録馬から週末の馬券的注目馬を挙げる「
現場主義者の狙い馬」を掲載中!
古澤秀和氏の活動、理論の詳細などは「
古澤秀和の競馬予想」へ