サラブレッドはあの細い脚で500kg近い体重を支えて走っているわけですから、当然そこには故障のリスクが付いて回ります。
これらには、骨折や屈腱炎など、長期休養を余儀なくされるものもあれば、これから紹介するソエや骨瘤(こつりゅう)、裂蹄など、発症していてもレースには出走してくる軽度の故障もあります。ただ、これらは軽度と言っても、当然競走能力には影響してくるものなので、パドックに行った際には必ずチェックするようにしましょう。
今回は今の冬の時期に多い裂蹄や、若駒に多いソエ・骨瘤を紹介しておきます。
これは競馬新聞のコメント欄などに良く出てくる言葉ですが、実際どんなものかはあまり皆さんご存知ではないのではと思います。
ソエとは正式名称で管骨骨膜炎と呼ばれ、微細な疲労骨折の様なものです。これを発症すると、人間で言うスネに当たる部分が炎症を起こし、腫れが出てくるのが特徴です。この腫れの度合いには軽微なものもあれば、上記写真のように大きく腫れているものもあります。
競走能力に対する影響の判断ですが、パドックで歩いている時に、着地の瞬間に痛そうな踏み方をしたり、脚を放り投げるように上に上げているものはかなり痛がっているので、大きく割引をする必要があるでしょう。
骨瘤は管骨の主に内側にできる瘤(こぶ)のことで(外側にできるケースもある)、できたてのものはソエと同じく痛みを伴います。先日、福寿草特別で単勝1倍台の人気に支持されながら4着に敗れた
プロスアンドコンズは今回、両前脚の内側に大きな骨瘤ができていて、歩様もコトコトしていました。それだけが敗因とは言えませんが、ある程度影響を及ぼした事は間違いありません。このように骨瘤に関しても歩様とセットで痛がっているかどうかを判断する必要があります。
この冬の寒い時期に多いのが
裂蹄です。裂蹄を患った馬は、写真の様な裂蹄防止テープにより保護されているケースや、裂蹄保護テープと呼ばれる小さな正方形のテープを患部に貼って保護するケース、あとはエクイロックスと呼ばれるクリーム色のパテの様なもので保護されている場合もあります。これに関しても裂蹄防止テープを巻いているからと言って確実に消えるというわけではなく、歩様とセットでちゃんと足を踏み込めているかなどを確認する必要があります。
今回は、以上3つの脚部疾患について解説しましたが、いずれもずっとそこを見ていればすぐに見られるようになるものなので、競馬場に足を運べる方は是非チャレンジしてみて下さい。
【次走の激走候補】
エーシンフォワード(京都金杯 12着)
トモの張りがグンと良くなり、それに伴って先行力も戻ってきた。使われての上積みは大きかった。今回は力の要る馬場で、どちらかと言えば軽い馬場に適性があるこの馬にとってはきつい条件だった。次走、府中の様に時計の早い軽い馬場が舞台なら巻き返しは必至。
マチカネハナアラシ(古馬500万下 10着)
園田で2走して、今回が中央転入初戦だったが、馬体はこのクラスの他の馬と比べても全く見劣りがしなかったし、返し馬のフットワークも良かった。今回は番手で控えて持ち味を殺した感じもあるので、ハナを切るレースなら一変してもおかしくない。
マチカネエベッサン(古馬1000万下 10着)
今回はプラス14kgと大幅な馬体重増だったが、別に太くはなかったし、筋肉の張りが良く歩様もリズミカルで、気配自体は目立って良かった。ただ、この馬にとっては1200mがベストの印象。距離を短縮してくれば変わるだろうし、そこでの巻き返しに期待。
競馬総合チャンネルでは、毎週火曜日に特別登録馬から週末の馬券的注目馬を挙げる「
現場主義者の狙い馬」を掲載中!
古澤秀和氏の活動、理論の詳細などは「
古澤秀和の競馬予想」へ