このコラムでは適性に重きを置いた馬の見方を解説していますので、これまで仕上げや気配に関することはあまり書いてきませんでした。しかし、馬を見て馬券を買う上ではこの判断も当然必要なので、今回はこれらについての解説をしたいと思います。
まず仕上げですが、一般的には腹のラインで見ると思いますが、競走馬には色々な体型があって、例えばブライアンズタイムの系統の馬によくいる、コロンとした腹ボテの体型の馬などもいて、一概には言えない部分があります。
そこで私の場合は皮膚の厚みとその中の脂肪量を見るようにしています。仕上がっていない馬は、皮膚の中にある脂肪がよく揺れます。これは生馬を見ると分かりやすいですが、モニターで見てもある程度分かります。歩く時に着地する度にこの揺れは起こるので、必ずチェックしておいた方が良いでしょう。
キッチリ仕上がっている馬は、皮膚を薄く見せ、この揺れがあまりなく、中の筋肉が張り詰めています。写真のような感じが理想ですね。
この仕上がりについては縦の比較が重要です。前走太かった馬が今回仕上がってきていると、当然動きやすい体になるので、前回よりも成績のアップが期待できます。ただ、この方法はずっと見ていないと実践できないので、頻繁に競馬場へ足を運べない場合には馬体重を参照すると良いでしょう。
今回少し太く見える馬が、前回よりもマイナス体重であれば前回よりもマシと判断することができますし、ビッシリと仕上がっている馬の体重を見て、前回よりもマイナス体重であれば前走は余裕残しだったが今回は仕上げてきたと判断することができます。
あくまで目安にはなりますが、体重の増減は今回の仕上げとセットで活用すれば良いと思います。
次に気配ですが、イレ込みであったりとか、元気がないなどの気配は、同じ馬であっても一戦一戦変わることがあります。これらについては、先ほどの仕上げのところでも出てきた「縦の比較」が必要になってきます。
穴馬券をヒットさせるためのこの気配の判断の仕方ですが、私の場合はパドックでの歩く速さと返し馬でのハミの取り方を重視します。
パドックで力強い踏み込みをしながら外目を早足で歩く、誰が見ても気配の良い馬が、返し馬に行って掛からない程度にグッとハミを取って走っていると好走することが多いです。特にこれは短めの距離で有効な穴馬発見法だと思います。
これらが私の仕上げや気配に関する判断法の一部ですが、これだけでもある程度激走する馬を発見することができると思いますので、是非この週末から意識してみて下さい。
【次走の激走候補】
タガノシャンハイ(大和S 8着)
裂蹄手防止テープを巻いたり、4分の3蹄鉄を履いたり、エクイロックスを塗布したりと、ずっと蹄の状態に悩まされていた馬だが、ここにきて蹄の状態が良化している。それに伴って7歳馬にもからわらず馬体が良くなってきた。今回は距離不足だったし、1400m以上の距離なら一発ある。
トシナギサ(古馬1000万下 10着)
馬体は良くなっていたし、返し馬の動きも力強くて期待していたが、レースでは無理に先行して、しかもハイペースに巻き込まれてしまった。道中は多少息が入ったが、それでも前半の無理がたたって終いは止まってしまった。本来は好位で運べる馬だし、スムーズに運べばすぐに巻き返す。
ブラックティー(古馬1000万下 4着)
4走前の500万下のレースでは、好位から直線に向くと突き放す一方の勝ちっぷり。その後、阪神コースで2度続けて惨敗を喫したが、その時の気配は4走前に勝った京都の時のものではなかった。今回は京都に戻ってきたが、パドックでの姿には持ち直した感じがあったし、京都の方が合う馬なのだろう。レース内容も悪くなかったし、次走は勝ち負けに持ち込めても良い。
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