昨年末の絶好調期に比べ、年明けはあまり良い結果ではありませんでしたが、先週で一気に巻き返すことができました。その要因は、京都の馬場が芝・ダートともに一気に軽くなったからです。これは勝ち時計を見ても明白です。
ダートでは、1回京都2週目に行われた
大和S(1600万下)の勝ち時計が1分12秒1だったのに対し、先週は
サザンビューティーが勝った
500万下の牝馬限定戦の勝ち時計が1分12秒2。
最終レースの1000万下のレースでは1分11秒9と、明らかにその前の週よりも時計1つくらい速くなっています。
この要因は凍結防止剤がまかれなかった事でしょう。凍結防止剤がまかれると、ダートの質がやや重くなる傾向があります。今週は暖かかったせいか、JRAのホームページ上の発表で凍結防止剤をまいたという発表がなく、おそらく馬場は軽くなるのではないかと思っていましたが、案の定その通りでした。そうなれば、阪神から続くパワー型馬場で凡走したスピードタイプの軽い馬達の出番がやってきます。そういう馬を単純にピックアップするだけで信じられないような高配当が付くこともよくあります。このように、「変化」があってから数週間は出馬表(近走成績の載った馬柱)と実際に好走する馬にかなりのギャップが生じるため、非常に儲けやすい開催となります。
芝の方は、先週は特に予測しやすい馬場でした。というのも、芝丈が洋芝の部分で14〜18センチで行われていたのが、10〜14センチに変わり、明らかに質が軽くなる事が分かっていたからです。今回の場合、芝の方がこのギャップがあって、普通に印を回すだけで日曜日の京都9Rや10Rのように高配当を拾う事ができました。また、これによって前残りの現象も生じ、「スピードタイプの先行馬」と馬券の対象を絞り込む事ができたのも大きな要因でしょう。
このように、馬場というのは同じ開催であってもここまで大きく、明白に傾向が変わることがあります。これらの傾向の変化は、一日張り付きながら出ないと分からない事もありますが、JRAのホームページにある馬場発表を見るだけでも大きなヒントを得られる場合がありますので、必ずチェックした方が良いと思います。
★穴をあける要素実践例★
以前に穴をあける要素としてあげた項目の中で良いサンプルができたので紹介しておきます。
この馬券の軸となった
フジノアリオンは実は障害帰りでした。当然人気もありません。明らかに単騎逃げの展開が見込めたにもかかわらず、11頭中8番人気という低評価でした。障害に行くという事は、平地で頭打ちしていくことが多いのですが、逆に障害を練習したり飛んだ事でトモがパンとするなど、良い方向に出る事もよくあります。特に、逃げられないようになっていた逃げ馬が障害を飛ぶ事でトモの筋肉が戻り、復活するというパターンが多い様に思えます。障害帰りは嫌われ材料になる事が多いですが、「嫌われ材料こそ穴の母」の考え方で見ていけば、こういった良い馬券を取ることができると思います。
こちらは単純に芝→ダートの変化ですね。この
ボーカリストは、血統的にもサンデーの肌に父トワイニングなら、軽いダートに正に合いそうな血統で、十分に買えるパターンだと思います。馬体的にも短距離のダートに向いた、コロンとした体型の馬でした。馬券的にはマズマズおいしかったと思います。単勝が4250円付いていただけに、それを持っていなかったのは悔やまれるところですが。
それにしても、例年この辺りの開催では、札幌の芝に使われて惨敗していた馬が、休養を挟んでダート変わりで穴を開けるパターンが少なからずあります。
このローテーションは穴になってくれるので、頭の片隅にでも残しておいた方が良いと思います。
先週はこれらの他にも、楽に穴が取れるパターンが多かったです。また、これらの傾向は続くと思われますので、この先数週間は楽な競馬になるのではないかと思います。これらの馬券は、このコラムに書いた事を実践すればできるようになる事なので、是非この機会にバックナンバーや私のブログも読んでみて下さいね。
【次走の激走候補】
デルフォイ(新馬戦 1着)
激走候補というわけではないが、センスの良さが光ったので紹介しておきます。パドックでは一見もっさりと映ったが、返し馬に行くとその脚捌きの良さが目立った。この兄弟の割に完成が早そうだし、クラシック路線に乗ってくることは間違いなさそう。ダービーなどよりは皐月賞やNHKマイルCに向いたタイプ。
セレスコクオー(古馬500万下 5着)
馬体の造りを見ると中距離くらいが合うタイプだが、今回のレース振りを見ていると現状はこれくらいの距離(1400m)で末を伸ばす競馬が合っているようだ。状態にはまだ上積みが見込めるし、次走も同じような条件に使われればチャンスは十分にありそうだ。砂質は重くてもOK。
エーシンフォワード(ジャニュアリーS 9着)
京都金杯の後にこのコーナーで取り上げた馬だが、「軽い馬場で」と思っていた馬が正反対のダートに使われてしまった。これでは惨敗も仕方がないし、今回は全く度外視すれば良い。理想の条件である、芝のマイルくらいで軽い馬場なら一気の巻き返しまである。
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