スマートフォン版へ

立ち写真、調教の扱い方

  • 2009年02月09日(月) 18時00分
 私のように、いつも現場で馬をチェックできる環境にあれば、生馬を見て予想を組み立てれば良いのですが、現場まで遠くて行けなかったり、土日が仕事でリアルタイムの競馬に取り組めないというような人には、競馬ブックやギャロップに掲載されているフォトパドック(誌上パドック)や調教のVTRといったものが、当日の競馬を推測する上で有効な判断材料となります。

 今回はこれらを利用する際のポイントを挙げておきましょう。

◆フォトパドック

 フォトパドックの写真はレースの10日以上前に撮られており、当日の仕上げやデキを推測する上ではあまり有効な材料にならないと思われがちですが、意外と仕上がりに関しては、ここで仕上がっていれば当日の仕上がりも良い事が多いですし、ここで緩く映ると、追い切りを経ているにもかかわらず当日も緩い状態で出てくる事が多い様に思えます。一概にそうとは言い切れませんが、有効な判断材料である事は間違いないと思います。

 デキを見る際には、生馬と同じで皮膚の薄さ、筋肉の張りを見ます。筋肉の張りは、主にトモを見れば良いでしょう。トモの筋肉に立体感が感じられ、密度が高そうに張っていれば良い状態です。ダートのレースなら胸前の筋肉も重要です。

 デキ以外のチェックポイントとしては、やはり体型が重要です。ツナギの長さ、角度、太さや、飛節の角度、骨や筋肉の量、そのなどをチェックすれば良いでしょう。他にももちろん首の長さや肩の角度なども、チェックすべき材料ですが、あまりに多くのことを一度にやろうとすると難しいので、前述したものを重点的に見てもらえればと思います。

 これらの項目をチェックして、そのレースの条件や馬場にあった馬を選べば良いでしょう。ちなみに、これらの条件に対する適性を判断するには、このコラムで以前に書いている事を当てはめながら見てもらえればと思います。


◆調教VTR

 一般的に調教と言えばタイムでしょうが、私の場合はあまりそれは気にしません。コースのタイムは人間の手で計っているものですし、坂路にしてもタイムはバーコードで採っているので正確かもしれませんが、走る時間帯などによって相当タイムが変わってきます。全く参考にならないというわけではありませんが、これが全てというように解釈するのは間違っています。

 私の場合は、調教に関しては動きを重視しています。この動きを見る際に調教時計は参考になります。どの部分を参考にするかというと、「○○秒出たから絶好」とかそういうものではなくて、「テンから飛ばしているから、ラストはこれくらいの動きでも仕方がない」とか、「直線で物凄く弾けたけど、これは前半で楽をしていた分もある」というように、調教の内容を把握するために参考にするのです。

 その結果、動きの良さを判断して、前予想に対してフィードバックするわけです。良い動きというのは、その馬の前走などと比べる必要があります。ただ、ここでも前回と同じ内容の調教が行われているとは限らないので、その点も考慮しながら動きの良し悪しを判断すべきでしょう。

 GIなどの大きいレースの場合は、グリーンチャンネルで前走の調教と今回の調教を続けて見せてくれるので、それぞれの違いを把握しやすいと思います。

 これらの材料を複合すれば、前予想の精度もそれなりに高くなるでしょう。レースは絞られますが、その分時間を掛けてジックリとやってみると良いと思います。


【次走の激走候補】

ワールドカルティエ(3歳500万下 6着)
 馬体の見栄えは良いし、返し馬の動きも良かったので期待していたが、結果としては惨敗だった。向正面で捲られた事もあるが、瞬発力勝負になって置かれてしまった事が主な敗因だろう。筋肉の質も硬いし、ダートの方が良さそうだ。次走、ダート替わりならチャンス十分。

アイアムカミノマゴ(エルフィンS 4着)
 後肢の可動域が大きくて、前走のように溜める競馬をすればいい脚を使えるタイプ。それにもかかわらず、今回は先手を取ってしまい、持ち味を出せていなかった。鞍上のコメントを見ても次走は溜める競馬をしそうな感じだし、そんな競馬ができれば重賞戦線でも戦っていける馬だろう。

ダイゴカムイ(古馬1000万下 5着)
 いつも良い脚を使っているが、今一歩届かなくて掲示板に載るかならないかの競馬になりがちな馬。特に今の京都は馬場が軽い分、この馬の瞬発力では前をとらえ切る事ができない。馬自体は良くなってきているので、次開催の阪神なら馬券の圏内に突っ込んできそうだ。


競馬総合チャンネルでは、毎週火曜日に特別登録馬から週末の馬券的注目馬を挙げる「現場主義者の狙い馬」を掲載中!

古澤秀和氏の活動、理論の詳細などは「古澤秀和の競馬予想」へ

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

中央競馬で全レースのパドック・返し馬を徹底観察。繋(つなぎ)や蹄、体型、骨量、筋肉の量・質、関節の柔軟性や、脚元、馬具などのデータを採取。そこから競走馬の能力、適性などに加え脚質も見抜き、馬券を組み立てる。パドック派にありがちな本命予想ではなく、複勝で10倍を超えるような穴馬を見つけるのが得意。

馬券総合倶楽部にて予想提供中!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング