昨日は矢作調教師が助手時代から毎年行っているパーティー「YAKAI」に参加させてもらい、その後はこちらのコラムでもおなじみの棟広良隆さんやアナウンサーの舩山陽司さん、ジョッキーたちと飲みに行って、いつもながら飲み過ぎました。
以前はビールと焼酎ばかり飲んでいた私ですが、最近はワインにはまっていてそればかり飲んでます。それで最近感じる事があって、ワインと馬はある意味似ているということです。
ワインは葡萄の種類・土壌・製法などによって様々な特徴が出ますが、それらの特徴を用いてそのワインの銘柄を当てる「ブラインドテイスティング」ということができる方もおられるようです。日本酒で言うところの「きき酒」という感じですね。
馬に関しても父馬の馬体、母馬の馬体、育成牧場の調教方針、入った厩舎の調教方針などによって大きく特徴が出ます。極論で言うと、私くらい馬を見ていればある程度の「きき馬」的なことができます。要するに裸の馬を見てこの馬がどの馬かということを当てるわけです。
馬を識別するに当たって最も用いる要素は、
・厩舎の特徴
・骨格
・筋肉の量、質
といったところでしょう。
厩舎の特徴というのは、例えばキングカメハメハやダイワスカーレットなどを管理していた松田国英厩舎の馬を見ると良く分かると思います。特にトモの盛り上がりが凄く、全体的に筋肉隆々のボリューミーな造りになっています。同じ流れを汲む角居厩舎は造りが似ていますが、松田国英厩舎よりは柔らかく造る傾向があります。
逆にブエナビスタを管理する松田博資厩舎は必要最低限の筋肉量で、その質が強い傾向にあります。パッと見では華奢に映るのですが、その筋肉の強さと「軽さ」で走ります。
このように、造りを意識して馬を見ていくと、馬の造りだけでどの厩舎か分かるようになりますし、それができる事によってより深く馬の適性などを理解する事ができるわけです。
他の2つの要素に関しても考え方は同じで、骨格や筋肉の質、量などを見ることでその馬の血統構成を想像することができますし、それによって深くその馬を理解する事ができます。
裸馬で「きき馬」ができるようになるのは半端じゃなく難しいことですが、パドックで歩いている馬を見て血統構成を当てるとか、どの厩舎か当てる(馬装に特徴があるので分かりやすいです)などのトレーニングを重ねていけば、本当の意味で馬が見られるようになりますし、そうすることでその馬がどんな距離や馬場に強いかなどをより正確に把握する事ができ、馬券の精度もアップしていくでしょう。
まずは競馬週刊誌に掲載されている馬の写真を見て、これら3つの大きな要素を考えながら血統構成や厩舎を想像するトレーニングを重ねてみて下さい。そうすれば今まで見えなかった様々な特徴が見えてくると思いますよ。
【次走の激走候補】
タマモディファイ(古馬500万下 9着)
相変わらずキビキビした歩様で、非常に気配を良く見せていたが、レースでは内で砂を被ってしまい全く抵抗できないまま惨敗。気正面の弱さを露呈してしまう結果になった。ただ馬体は良くなっているので、外目の枠を引けるようなら一気に巻き返せるはずだ。
テイエムターザン(3歳未勝利 9着)
ソエが酷かった馬だがここにきてマシになってきたし、それに伴って馬体も良くなってきた。返し馬の走りもマズマズだったし、そろそろ上位争いができる態勢になっている。ただ、今回は距離が短かったので、1400mからマイルくらいの距離に出走してくるようなら狙いたい。
ワーキングウーマン(古馬500万下 11着)
馬体は牝馬らしく細身だが、ツナギの力が強いし、返し馬のフットワークもこのクラスの馬ではなかなか見られないような良い走りだった。今回は内枠である程度前に付けていったが、あまりこのような競馬は合っていない印象。切れる脚があるので、外目の枠を引いて後方で脚をためる競馬なら巻き返せる。
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