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あらゆる要素を微調整できる「勘」を養うことが重要

  • 2009年03月30日(月) 19時00分
 高松宮記念は個人的に非常に残念な結果でした。結構自信があっただけに、あのハナ差は大きかったですね…。


高松宮記念馬券


 今回は馬券のようにトウショウカレッジを本命にしたのですが、これ以外の印については週頭からかなりの変遷がありました。

 まず週頭は競馬総合チャンネルのコラムでも書いたようにファリダットを中心にしようと考えていました。しかし、週の中ごろに考えていると、前走時に右前の蹄にエクイロックスを塗ってきており、蹄に不安がありそうなのを思い出しました。それを考慮しながら調教のVTRを見ているとあまりストライドが伸びていない感じがしたので、こちらは下げる事にしました。

 逆にここで評価を高くしたのがトウショウカレッジです。馬体写真は良かったですし、調教の動きも抜群でした。鞍上がウチパクなのも魅力ですし、枠順も内目を引けました。条件が揃っていると考え、これを前予想段階では本命に考えました。

 前予想段階の相手については、

○ファイングレイン
▲ファリダット
注ビービーガルダン
△ローレルゲレイロ
△ソルジャーズソング

という感じで考えていました。

 そして当日。

 高松宮記念までに馬場傾向を分析した結果、「内目が有利な力の要る馬場」という評価です。上位にきている馬のタイプを見ても「特にトモの肉付きが良くて、ツナギが立ったような馬」が目立ちました。また、内目が有利な馬場だけに、あまり外を回すと届かない傾向にもありました。

 このようなシチュエーションだけに、先行できる馬か、差し馬なら内枠の馬を選ぶというのがセオリーで、筋肉量の多い体型を考えてもトウショウカレッジを本命と考えました。

 しかし、相手に関しては前予想とは違い、パドック時点で、

○ウエスタンダンサー
▲ファイングレイン
注アーバニティ
△ソルジャーズソング
△ビービーガルダン

という評価に変更しました。

 エクイロックスを今回も塗っており、馬場適性が低いと判断したファリダットとこの日の馬場にはちょっと非力に映ったローレルゲレイロを下げて、馬体の持ち直しが目立ったウエスタンダンサーと、外枠も、パワフルな馬体でセンスの良さが目立ったアーバニティを上げたのです。

 次に返し馬です。ここでもいくつかの評価にかかわる要素が表れました。

 トウショウカレッジは折り合いを重視した返し馬でしたが、動きもマズマズで良い感じでした。また、ファイングレインはマズマズの動きでしたし、なんと言っても目立ったのがソルジャーズソングの動き。サンデーサイレンスの産駒だけにしなやかさで走るイメージでしたが、ここに来て肉付きが良くなってパワーアップしており、返し馬の動きもパワーに溢れる、正にこの日の馬場向きの動きでした。配当を考えても妙味がありますし、この馬を返し馬の時点では2番手に考えていました。

 逆にアーバニティは気の悪さを見せていましたし、パドック時点で評価を落としたローレルゲレイロはここでも引っ掛かって暴走気味でした。また、ビービーガルダンもあまり大した気配ではありませんでしたので、これらは評価を下げる事にしました。

 これらの要素とオッズを考慮した上で導き出したのが上の馬券です。結果的には外れましたが、予想としては悪くなかったと思います。結果的にはワイドを買ったソルジャーズソングとトウショウカレッジの3着争いになりましたが、あれを逆にしていればとは今は思いません。ソルジャーの方が枠順が内だし、馬場適性も高いので逆にしても良いかなという考えもありましたが、鞍上の差を考えると馬群を捌けるかどうか怪しかったので、トウショウを上に持ってきたのは間違いじゃなかったと思います。

 このようにかなり思考が変わっていったわけですが、膨大なファクターを微調整して正しい結論を生み出すということは非常に難しいことです。これに関しては経験からくる「勘」が大きいので、いつもしっかりとPDCA(競馬では「予想→購入→復習→次への指針」)のサイクルを守って、経験を積んで正しい勘を身につければ良いと思います。

 私としては、このコラムやブログ(こちらから→「古澤秀和の競馬予想ブログ」)などで、これらの過程を補助できるような情報をたくさん出していければと考えています。


【次走の激走候補】

トウショウカレッジ(高松宮記念 4着)
 今回は前が残る馬場状態で脚質的には不利だったし、そのような馬場での1200mは本質的にこの馬にとっては短かった。また、小回りコースで内枠と、器用さを問われたのも影響しただろう。ベストは1400mで、1400mからマイルあたりへの距離延長があれば巻き返す可能性は非常に高いだろう。

ウエスタンダンサー(高松宮記念 12着)
 前走時は細くなってしまって、それまで目立ったトモの力強さや歩様のリズムなどが全く感じられなかったが、今回は馬体重こそ減っていたが、良く調教ができたのだろう。トモの張りは戻っていたし、力強さも出ていた。ただ、若干動きは硬かったが。今回は不利もあったし、巻き返しは必至だ。

アーバニティ(高松宮記念 14着)
 思ったよりも良い馬だった。骨格がしっかりとしていてパワフルな馬体だったし、動きもしなやかさがあって良かった。距離も1200mで連勝を伸ばしてきたが、マイルくらいでも全く問題ない。今回の敗戦が良い経験になるだろうし、次走の巻き返しは充分ある。


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中央競馬で全レースのパドック・返し馬を徹底観察。繋(つなぎ)や蹄、体型、骨量、筋肉の量・質、関節の柔軟性や、脚元、馬具などのデータを採取。そこから競走馬の能力、適性などに加え脚質も見抜き、馬券を組み立てる。パドック派にありがちな本命予想ではなく、複勝で10倍を超えるような穴馬を見つけるのが得意。

馬券総合倶楽部にて予想提供中!

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