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調教ビデオを見るコツ

  • 2009年04月06日(月) 16時30分
 先週は大阪杯をドリームジャーニーが、ダービー卿CTをタケミカヅチが制しました。

 大阪杯の方は、パドック時点での印で◎ディープスカイ、○ドリームジャーニー、▲カワカミプリンセスという順番でつけていたのですが、返し馬で◎が重く映った事、▲の気配が良かった事を考慮して、▲の複勝という「堅い馬券」を選択しました。

 レースでは思いのほか後ろからの競馬になり、直線に入っても鞍上が余裕をこいでいたので、全然駄目かと思っていましたが、最後の最後で一気に伸びてくれました。それにしてもあの競馬は…。ま、一応3着をキープしてくれたので良かったですが、ちゃんとポジションを取っていればもっと際どかったと思います。

 ドリームジャーニーの方はここからの上積みはさすがに無さそうな感じですが、ディープスカイ・カワカミプリンセスはそれぞれまだ良くなる余地があります。


 ダービー卿CTの方はタケミカヅチで自信があったのですが、レースでもキッチリと差し切ってくれました。それにしてもヨシトミJはこの馬に乗る時は常に素晴らしい騎乗をしてくれます。今回もタケミカヅチを買っていた人にとっては文句のつけようがない騎乗でした(直線では外側にヨレたみたいですが…)。


タケミカヅチ単勝馬券


 さて、今回は調教による馬のデキの判断について書いておきましょう。調教と言えば皆さんは調教タイムとか、新聞の調教欄にある点数や評価コメントを思い浮かべるのではないでしょうか。調教タイムをはじめとするこれらの要素は目安にはなりますが、これらの数字だけで判断するのは危険な事です。

 例えば、坂路調教を例にとっても、ハロー掛け直後の良い馬場状態だとタイムが出やすくなりますが、時間が経って馬場が荒れてくると時計が掛かるようになります。また、日々の馬場状態によっても全くタイムが異なりますし、これらの数字に固執するという事は、あまり意味がないことだと思います。

 私の場合は、これらの数字を目安にしながら、動き自体を見るようにしています。動きを見る際には、時計のラップバランスや、ジョッキーの動きが参考になります。

 動きは調教ビデオで確認していますが、これらは直線しか映らないので、そこまでの過程がどうだったかという事は非常に重要な要素です。直線の動きがいくら良くても、そこまでのラップを見てゆっくりと回らせてきている場合は、その動きを鵜呑みにする事はできません。

 例えば、栗東で言うと松田博厩舎の調教は基本的に直線重点です。ビデオを見るとほとんどの馬が直線で弾けているように見えますが、これらのついては「直線重点」である事を把握しながら見なければいけません。

 次に動き自体の把握ですが、一番良いのは馬体の造りを頭に入れておきながら調教の走り姿を見ることです。例えば、「この馬はツナギが立っていて、肩の角度も窮屈だからピッチ走法になる」とか、「関節の可動域が大きくて筋肉も柔らかいから飛びがユッタリになる」といった感じです。最初のうちは週刊誌に写真が載っている馬を重点的に見ていけば、そのメカニズムを把握していく事ができるでしょう。

 これらを踏まえた上で、調教の動きの「良さ」や「悪さ」を判断していきます。「良さ」という部分については感覚的なものもありますが、もっとも分かりやすいのは鞍上の指示に従えているかという事でしょう。折り合いがちゃんと付いているか、鞍上がアクション(手綱を動かす・鞭を入れる・重心を移すなど)を起こした時に反応できているかというところを見ます。これがちゃんとできていればレースでもできる可能性が高いですし、できていないようならレースでも良い結果を得る事はできないでしょう。

 他にはハミをしっかりと噛んで力強いフットワークができているか、手前をちゃんと替えられているか、などをチェックします。最初は分からないかもしれませんが、これらのポイントを押さえながら見ていけば、そのうち感じるものが出てくるはずです。

 私のブログ(こちらから→「古澤秀和の競馬予想ブログ」)では、(ほぼ)毎週、調教ビデオを見た上での「調教からの注目馬」を2頭ずつくらい挙げておりますので、それらの馬の動きをモニターで確認するというのも練習法の一つだと思います。

 最近ではアーリントンCのマイネルエルフ、弥生賞のミッキーペトラなどの推奨に成功しています。あと、その馬の縦の比較もデキを判断する上では重要な要素なので、GI出走馬ならこれらを確認する事ができますので、是非チャレンジしてもらえればと思います。

【次走の激走候補】

ロードメダリスト(3歳500万下 2着)
 確勝級かと思ったが、スタートで後方からになってしまったし、直線では良い脚を使ったものの先に抜けた馬を捕まえ切れずに2着止まり。曲飛節で筋肉も強いので、非常にバネが利く造りになっているし、これはかなり走ってくる。次でキッチリと勝って、トライアルを使うことができればダービーへ駒を進められるはずだ。

バンガロール(マーガレットS 4着)
 完全に渋った馬場がこたえてノメっていた感じ。直線で伸び切れずに4着に敗れてしまったが、あれが力ではない。馬体は更に良くなっていたし、マイルくらいまでなら距離が伸びても大丈夫。次走、良馬場なら確実に巻き返してくるだろう。

メイショウアツヒメ(マーガレットS 8着)
 前走からプラス6kgの馬体重だったが、仕上がり自体はかなり良く映った。こちらも脚が細いぶん悪い馬場でノメっていた感じだ。暖かくなってコトコトしたところが無くなってきたし、トモの筋肉量などは牝馬離れしている。次走、良馬場なら巻き返すことができそうだ。


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古澤秀和氏の活動、理論の詳細などは「古澤秀和の競馬予想」へ

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中央競馬で全レースのパドック・返し馬を徹底観察。繋(つなぎ)や蹄、体型、骨量、筋肉の量・質、関節の柔軟性や、脚元、馬具などのデータを採取。そこから競走馬の能力、適性などに加え脚質も見抜き、馬券を組み立てる。パドック派にありがちな本命予想ではなく、複勝で10倍を超えるような穴馬を見つけるのが得意。

馬券総合倶楽部にて予想提供中!

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