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NHKマイルCで好走するタイプの馬体

  • 2009年05月04日(月) 18時00分
 今週はNHKマイルCが行われます。このレースを使った馬からキングカメハメハ、タニノギムレット、昨年のディープスカイといったダービー馬が出ているように、数年に一度やたらとレベルが高くなるレースですが、今年もなかなかの好メンバーが揃いました。今回はこのNHKマイルCで好走するタイプの馬を過去の好走馬を参考にしながら探っていきましょう。

◆雨が重要なポイント

 NHKマイルCの馬券を推理する上で一つの重要なポイントとなってくるのは雨です。時期的に雨が降りやすく、この10年間で雨が降った、もしくは稍重以上の道悪になっているケースがちょうど半分の5回あります。今年は今のところ雨は降らない予報が出ていますが、週末になると変わるかもしれないので、どちらの傾向も考えておく必要があるでしょう。

 晴れの場合は、馬場が軽くて直線の長い府中コースだけに、サンデーサイレンス系の軽くて筋力が強い切れ味を持ったタイプが好走する傾向にあります。極端な例はラインクラフト→デアリングハートで決着した2005年のレースですね。

 ラインクラフトはエンドスウィープ産駒でしたが、母父がサンデーサイレンスで、馬体の特徴はこちらの方が強く出て、軽くてしなやかな馬でした。2着に入線していたデアリングハートはサンデーサイレンスの直仔で、こちらも軽い造りで一瞬の切れのあるタイプでした。晴れた場合は、このような一瞬の切れ味がある、軽い造りのサンデー系の馬を選べば自ずと馬券は当たるでしょう。

 逆に雨が降るようなら長く良い脚を使えるタイプが好走します。昨年のディープスカイはサンデー系の切れ味のある馬ですが、どちらかと言うと長く良い脚を使えるタイプです。2着のブラックシェルもそうですね。

 また、雨で時計が1秒くらい余分に掛かる馬場になる分、やはりパワーは必要となります。この場合、府中の道悪全般に言えることですが、ミスタープロスペクター系の瞬発的なパワーというよりも、ノーザンダンサー系の筋肉量があって、持久力のあるタイプが好走する傾向にあります。一昨年のレースなんかは特にその典型で、フレンチデピュティ産駒らしく牝馬にしては筋肉量のあったピンクカメオ、2・3着は共にキングヘイロー産駒のローレルゲレイロとムラマサノヨートーでした。

 このように天気によってかなり傾向が変わってくるレースですが、これらのポイントを押さえておけば的中にかなり近づけるのではないかと思います。

 ちなみに下記に今年の主な出走馬たち(競馬ブックのフォトパドック写真がある馬)の特徴を記しておきますので、是非参考にして下さい。

フィフスペトル
 3歳のこの時期の馬にしてはありえないくらいの筋肉量がある馬。どちらかと言うと良馬場向きだが、ある程度パワーが要る阪神とか函館とかに向いた馬。骨が太いので、府中の時計勝負になるような良馬場だと微妙なところもある。

レッドスパーダ
 タイキシャトル産駒らしい軽いスピードを持っているタイプ。良馬場で時計勝負になるのはこの馬にとっては良さそうだ。

ブレイクランアウト
 体型的には母父のフレンチデピュティが出た感じで、ある程度の筋肉量があるのだが、その質がミスプロ系の父スマートストライクの良いところが出ていて、瞬発的な筋力も兼ね揃えている。どちらかと言うと瞬発系で、道悪もこなせなくはないがやはり良馬馬の方が良いだろう。

ワンカラット
 ノーザンダンサー系のファルブラヴ産駒らしく、柔らかくて量のある筋肉をしている。ただ、その質を見ると、長く脚を使うというよりはどちらかと言うと一瞬の脚を使う印象を受ける。良馬場で好位の内で脚を溜めて、追い出しを我慢して一瞬で抜けるような競馬(フィリーズレビューの時の様な競馬)が理想。

ジョーカプチーノ
 ガッチリした馬の多いマンハッタンカフェ産駒にしては、体重の割に軽い造りで、軽いスピードは持っているが、トモがしっかりしている分、溜める競馬よりも好位でスピードを生かす競馬が合っている。良馬場の方が良いタイプだろう。

マイネルエルフ
 量が多くて、持久的な筋肉、ガッチリした骨格は、見るからにシンボリクリスエス産駒と言う感じ。府中で時計勝負になると苦しいし、雨が降って持久力勝負になった方が良さそうだ。

ラインブラッド
 細くて硬めの馬が多いタイキシャトル産駒にしては、柔らかさとパワーがあるタイプの馬。良い脚を長く使うタイプ。

アイアンルック
 骨格がガッチリしていて、量があって持久力がありそうな筋肉は、ノーザンダンサー系のそれに見える。血自体は入っているので、その特徴が良く出ているものと思われる。切れ味もある程度あるが、良い脚を長く使えるのも特徴。若干遅いので、良馬場では詰め損ねる可能性もあるが、晴れ雨どちらにせよ上位争いは必至だろう。

ティアップゴールド
 芝では遅い馬が多いクロフネ産駒だが、この馬には収縮力の強さがあって速い脚もある程度使える。一瞬の切れという感じでは無いのでタイプ的には違うが、軽さはあるので時計勝負にも対応可能。

ミッキーパンプキン
 鈍い馬の多いダンスインザダーク産駒にしては、運動神経が良くて軽いスピードの持ち主。馬体の実の入りとか完成度は低いが、タイプ的には合っていそう。良馬場向き。


【次走の激走候補】

モンテクリスエス(天皇賞・春12着)
 ありえないくらい筋肉が付いていて、凄い体付きになっていた。ただ、今思えば3200mで勝負をするような造りではなかった印象。京都の軽い馬場も合っていないし、阪神コースのように時計が掛かる馬場の方が良さそう。宝塚記念に出れば結構面白そう。(目黒記念でもOK)

ゼンノグッドウッド(天皇賞・春11着)
 グンと馬が良くなっていたし、歩様もスムーズだった。以前とは完全に別の馬になった。腰高の馬で、今回は距離が長かったが、次走以降で距離を縮めてくれば重賞でもチャンスは十分にある。少しパワーの要る、直線の長いコースが理想だろう。

グランプリサクセス(上賀茂S4着)
 今回は昇級初戦だったが、手先に力強さが感じられたし、素材的には全く見劣りはしなかった。ただ、今回は前に行った馬が有利な流れになったし、後ろから行くこの馬にとっては展開が向かなかった。行く馬が揃ったメンバー構成ならすぐに勝ち上がれそうだ。


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中央競馬で全レースのパドック・返し馬を徹底観察。繋(つなぎ)や蹄、体型、骨量、筋肉の量・質、関節の柔軟性や、脚元、馬具などのデータを採取。そこから競走馬の能力、適性などに加え脚質も見抜き、馬券を組み立てる。パドック派にありがちな本命予想ではなく、複勝で10倍を超えるような穴馬を見つけるのが得意。

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