05年カネヒキリ、08年ユビキタス、遡ると98年ウイングアローなど、もうこの時点で高い評価を得ていた「ダート巧者」がいて、順当に抜け出したことがある。しかし、まだみんなキャリアの浅い3歳馬。ダートに路線を決定した馬ばかりではない。かつてのタイキシャトル、アグネスデジタルなど、芝もダートもOKのチャンピオン級がこのレースでは伏兵の評価にすぎなかった歴史もある。
可能性を探りながら、中心馬を決めたら相手は少し手広くしたい。例えば、初ダートのミッキーペトラは、その母ペトラがディープインパクトと「いとこの間柄」。当然、ダート競馬から出発するわけもなく、また、現在はダートコースの調教がほとんどないから、想像するしかないが、栗東の坂路で今週は50.3-12.7秒。芝ほどのスピードを要求されないダートで良さが生きる可能性がある。
同様に、ゲットフルマークスもダートに替わって「一変」がありえる。
中心は、ダート2戦2勝(それも東京ダート1600m)のグロリアスノアとした。新馬は1分40秒6の平凡な時計だが、出負け気味でモタモタしていたが、上がりは37.3-12.1秒。まったくの楽勝だった。若葉Sはキャリアの浅さも重なり、芝2000mとあって大敗したが、前走はこの東京ダート1600mを1分37秒4。今回は出負けもなく、好位のイン追走から楽に抜け出した。最後の1F12.4秒だから、まだまだ余力十分だったろう。
小林慎一郎(27)騎手とあって、人気にならない点も魅力。これがトップジョッキーだったら、1番人気だろう。
アメリカ育ちの雑草系統に近い牝系だが、代々配されてきた種牡馬は、名うてのダート巧者ばかり。そしてミスタープロスペクターの(4×3)。今週は同厩の古馬スーパーホーネット(安田記念出走)と併せ、さして見劣らなかった。思われているよりずっと高い能力を秘めている可能性がある。