一度リズムを崩しかけた牝馬の評価はきわめて難しい。ブリガドーンの前走は、いかに男馬相手だったとはいえ、ちょっと負けそうもない相手に完敗だった。その前走、男馬のトップにも近いローマンエンパイアとほとんど互角の切れをみせ2000m2分00秒6。京成杯を小差3着の内容からすると、前走は案外というより、ちょっとなさけなかった。
しかし、まだキャリアの浅い3歳牝馬のこと。除外でリズムが狂い、カリカリしすぎる激しい気性だけに、闘志がから回りしたともいえる。馬体のスケール、力強いストライドなど、牝馬ではAランクのスケールを持つと思えるだけに、もう一度期待したい。
今年の牝馬クラシックロードは大混戦で、ふつうの年ならフラワーC組は路線外だが、今年に限れば桜花賞の有力馬にもなれる。未勝利を勝ったばかりで、わざわざ男馬相手の重賞にぶつけるなど、素質を確認したかったため、ローテーションが狂い、2勝目を挙げるのにやっきになっているパターンは失敗に近いが、ここはすんなり出走できた。まだ運に見放されていなかった。
デキの良さが光る上がり馬スマイルトゥモローと、巻き返したいマイネヴィータが本線。とくにマイネヴィータは平均ペース型で、脚質に合わないマイルに連続して出走して失敗しているが、もし目ざすならオークス。札幌2歳Sの中身からしても切れとスピードの桜花賞は合わない。1800mの今回はぜひ巻き返したい。伏兵では、メジロフリーマンは評価よりずっと渋い能力を秘めている。