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フラワーC

  • 2002年03月15日(金) 11時29分
 一度リズムを崩しかけた牝馬の評価はきわめて難しい。ブリガドーンの前走は、いかに男馬相手だったとはいえ、ちょっと負けそうもない相手に完敗だった。その前走、男馬のトップにも近いローマンエンパイアとほとんど互角の切れをみせ2000m2分00秒6。京成杯を小差3着の内容からすると、前走は案外というより、ちょっとなさけなかった。

 しかし、まだキャリアの浅い3歳牝馬のこと。除外でリズムが狂い、カリカリしすぎる激しい気性だけに、闘志がから回りしたともいえる。馬体のスケール、力強いストライドなど、牝馬ではAランクのスケールを持つと思えるだけに、もう一度期待したい。

 今年の牝馬クラシックロードは大混戦で、ふつうの年ならフラワーC組は路線外だが、今年に限れば桜花賞の有力馬にもなれる。未勝利を勝ったばかりで、わざわざ男馬相手の重賞にぶつけるなど、素質を確認したかったため、ローテーションが狂い、2勝目を挙げるのにやっきになっているパターンは失敗に近いが、ここはすんなり出走できた。まだ運に見放されていなかった。

 デキの良さが光る上がり馬スマイルトゥモローと、巻き返したいマイネヴィータが本線。とくにマイネヴィータは平均ペース型で、脚質に合わないマイルに連続して出走して失敗しているが、もし目ざすならオークス。札幌2歳Sの中身からしても切れとスピードの桜花賞は合わない。1800mの今回はぜひ巻き返したい。伏兵では、メジロフリーマンは評価よりずっと渋い能力を秘めている。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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