とても秋のローカル扱いのGIIIとは思えない好カード。おそらく新潟ダートにこういうメンバーの集結はしばらくないだろう。今年ダート1700mの日本レコードを更新したマチカネニホンバレ。ちょっと前のチャンピオン・アロンダイト。そしてダート1800m4戦4勝、新潟のコースレコード=1分49秒5をこの夏に記録したばかりのトランセンド。
そのトランセンドは、いま頭角を現してきたばかりの3歳馬。この時期の3歳馬で、すでにダート1800mに「1分49秒台」の記録を3回。やがて日本ダート界のエース格の1頭に名を連ねるだろう。キャリアは浅く、互角の能力を持つ馬や、あるいは自分より強い馬(成績で上回る馬)と対戦するのは初めて。
それをきわめて幅員の狭い(JRA10場の中ではもっとも狭いはず)コースで、かつコーナーのきつい小回りコース(直線もさして長くない)で迎え討つ形になるのはかなり厳しい。もまれて前半でアウトの危険もあったが、幸い外枠。一番最初の1コーナーで振られる中団の外にいない限り、もまれる心配はなくなった。まして3歳馬の特権で軽量53kg。流れに乗って抜け出せるはずだ。一戦ごとに強さを増している。同じ1分49秒5でも、良馬場の前走のほうがはるかに強かった。
すんなり自分の形にはまってスピード能力を生かせるパターンに入ったときのウォータクティクス、マチカネニホンバレを封じることができるなら、現4歳の居並ぶチャンピオン級相手のGIも見えてくる。多少は衰えもあるが、こういう流れになって怖いのは7歳サンライズバッカス。初コースだが、難しいコーナーでスパートのタイミングが明暗を分けてしまう小回りコース。歴戦のベテランに合っている可能性が高い。マチカネニホンバレの前回はレコードのあとの短期放牧で明らかな調整不足。真価が問われる今回、一気に巻き返しての再浮上に期待する。