この重賞が1600mになったのは、1997年から。1400m当時も来季に結びつく重賞だったが、最近ではキャプテントゥーレ、ローレルゲレイロ、スーパーホーネット、メイショウボーラーなど、3歳クラシックの初期だけでなく、古馬GI級(スピード路線)も数多く出している。今年も成長株がいるだろう。
リディル(父アグネスタキオン)は、新馬戦は若さ丸出しで凡走したが、2戦目の1600mで一変、1分34秒8で楽勝してみせた。
装鞍所で馬っ気を出したり、ゲートの中で鳴いていたとされるが、11.8-11.3-11.8秒の上がりの速いレースを楽々と乗り切り、最後も余裕十分だった。母エリモピクシー(父ダンシングブレーヴ)は1600mを中心に7勝もしたオープン馬で、エリザベス女王杯を制したエリモシックの全妹。仕上がりの早さで勝ったというより、奥行きも十分だろう。使って体が減ることもなく、この中間の乗り込み量も十分。チャンス大。
お互いまだキャリアの浅い同士、力関係うんぬんではなく、伸びそうな馬を相手に選びたい。ラブグランデー(父グランデラ)は、前回のききょうS・1400mではインで馬群に詰まり通し。最後、上がり35.4秒で伸びて3着だが、どうみても脚を余した印象が強かった。
小柄にも近い牝馬だが、4戦ずっと同じような馬体重をキープ。かなりタフなタイプと思える。ここはキャリアで上回る強みも生かせそうだ。
伏兵はエイシンアポロン。前走の1800mの野路菊Sは5着(2番人気)凡走だが、1800mとあって上がりだけのレース。やや不器用とも思える体型と血筋、平均ペースで流れてくれた方がいいだろう。ジャイアンツコーズウェイ(その父ストームキャット)産駒はあまり日本向きとは思えない一本調子型(先行しても追い込んでも)が多いが、外回りのマイルでツボにはまりそうなタイプだ。次いで、同じ父をもつアグネスティンクルとする。