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ステイヤーズS

  • 2009年12月04日(金) 12時50分
 このレースのレコードは1994年の「3分41秒6」。前半から引っ張った馬がいて、それまでの記録を2.5秒も短縮してみせた。ダンスインザダークの半兄になるエアダブリン(父トニービン)の残す大記録である。最近はあまり飛ばす馬はいない。スタミナに自信のあるステイヤーは出現しなくなっている。当分、不滅だろう。

 今年は先導する馬を探すのに苦労するくらいだから、超のつくスローもありえる。さすがにこの距離だから時計うんぬんは意味がないが、最近の傾向から3分50秒近い時計になるかもしれない。

 そのエアダブリンを筆頭に、97年メジロブライト、99年ペインテドブラック=テイエムオペラオー、03年チャクラ、昨08年のフローテーションなど、その秋の菊花賞3000mで上位に食い込んだ馬が、好走するケースが多い。長距離戦が少なくなっていることに加え、この時期のベース2kg差の別定重量は明らかに3歳馬に有利に展開する。

 これにピタリ当てはまるのが、3歳フォゲッタブル。菊花賞は史上3位の速い時計の決着で、ハナ差同タイム2着の「3分03秒5」だったから、スタミナを問われた3000mとしての中身は濃い。父ダンスインザダークは、今年1〜2着を決めた勝ち馬のスリーロールスのほか、デルタブルース、ザッツザプレンティが菊花賞を制している。自身も含めて近年で菊花賞・4勝だから、そのスタミナ能力も、伝える特性も疑う余地はない。

 フォゲッタブルはC.スミヨン騎手。エリザベス女王杯のこともあり、早めに好位置確保から、もう今回は隙なしのスパートだろう。幸い、崩れる予報が出ていた天気も雨の危険は少なくなっている。かなり信頼度は高いはずだ。

 相手筆頭は、この中間の動きが目立っていい4歳スノークラッシャー。小柄な馬体に57kgはやや心配だが、リヴリア牝馬にサッカーボーイ。間違いなくスタミナはある。

 そのほかの人気上位馬もとくに嫌う要素はないから、うまく資金バランスを考えたい。人気薄の伏兵はエーシンダードマン。菊花賞・4着のあとあまりいいところはないが、遅くなって本格化したエイシンデピュティの下で、こちらもダンスインザダーク産駒。今回は動きも光っていた。後藤騎手は超スローのレースだと黙って流れに身を任せずどこかで動いて出ることが多い。ペース判断には長けている。鞍上の判断が明暗を分けそうな組み合わせでもある。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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