おそらく能力断然NO.1は3着にとどまったタニノギムレットだが、追走がもうひとつスムーズではなかったうえ、坂下で大きな不利だけでも2回。前が詰まり行き場をなくす場面が重なった。それでも最後の100mだけで3着に押し上げたからその迫力はすごい。
しかし、今年すでに5戦目。とくにスプリングS、皐月賞はきびしい競馬で、ここでまた激走しては肝心のダービーでもう上がり目はないだろう。そのローテーションに疑問がささやかれていたが、今回はまだ大丈夫の声に反するように、天(運)はまったく味方していなかった。皐月賞を取りこぼす形で、また今回のNHKマイルCも不運な敗戦。すっかりツキに見放されている。
勝ったテレグノシス、2着アグネスソニックともに、スプリングSの内容が激しすぎ、反動が出たため皐月賞を使えなかった馬だった。このあたりもきわめて暗示的で、きびしいレースを連続して使っていると、いいことはひとつもないことを示している。
NHKマイルCは今年も例年通り、1分33秒前後だったが、過去6回、この激しいレースで3着以内に好走した計18頭は、そのあとの1戦で[0-2-3-13]という怖い記録がある。反動が出るためだろう。1頭も勝てないでいる。今年のテレグノシス(ダービー出走は半々)、アグネスソニック(放牧に出る)、タニノギムレット(ダービー出走)にも、おそらくこれは当てはまるだろう。昨年、坂下で突然止まったクロフネより、タニノギムレットはもっと厳しいレースをもう最低3走は連続している。ローテーションは中2週、そして、中2週。能力は文句なくNO.1だが、再び人気のダービー、きわめて危険だ。
なお、日本の降着制度はきわめて基準が甘く、かつあいまいで、うまく機能していないとされるが、このNHKマイルCの審議、世界のG1レースなら妨害を受けた馬のアピールにより、最低2〜3頭は完全に降着だったろう。進路妨害にはあたらないとして、どうして3万だとかの過怠金が課せられるのか不思議で、セーフ(進路妨害ではない)なら、制裁を課せられる理由はひとつもない。ペナルティーを取られ、何万円もの過怠金を課せられることは、本当はアウトなのだ。