4月の春の天皇賞がわずか11頭立てだったように、現在のサラブレッドの世界は、長距離向きのスタミナを持った馬が非常に少なくなっている。これは世界的な傾向で、またいつか長距離でこそ真価発揮のステイヤーが見直される時代がくるかもしれないが、とりあえずは、この2500m前後ならフルに能力を生かせる中〜長距離馬を探すのがポイント。
東京の長丁場は、たとえスローペースといえどもスタミナの裏付けのない馬は苦しく、ふだんの1600m〜2000m級のレースとは大きく勢力図が変わることは知られている。かつて秋の天皇賞が3200mで行われていたころ、みんなの考える距離適性は大きくちがっていて、1番人気馬が18連敗もしたことがあった。
必ずしもステイヤーとはいえないものの、ジャパンCや有馬記念、そしてダービーを制したトウカイテイオーの半弟になるのが、5歳トウカイオーザ。昨秋のG2・アルゼンチン共和国杯を制した当時はズブく、追走にかなり苦労しながら、それでも2分32秒0の好時計で勝ったあたり、スタミナはある。
前走は以前より少し早めに動けるようになったあたり、ようやく本格化とみて良く、もしここを勝てるようならトップクラスの仲間入りし、兄と同じようにジャパンCに挑戦することも可能になり、なおかつ有馬記念も見えてくることになる。
スタミナ型という意味では、アクティブバイオ(父オペラハウス)も注目の1頭。まだ格は下でも、今回の56キロなら有力馬に入ると考えていいだろう。
まったく無名なところでは、タニノエタニティが大きく変わってくる可能性がある。現3歳のダービー候補タニノギムレットといとこの間柄になり、父はラムタラ。ラムタラの産駒はこれまで期待ほどでもないが、長距離タイプに大物が出現する可能性は残されている。快走があるかもしれない。