かつてG3のダート重賞などというと評価は低かったが、いま時代は変わり、ダート競馬の評価がどんどん高くなっている。
それも当然、かつてはヨーロッパ型の芝のレースが世界の断然のトップだったが、いま世界チャンピオンは、米のBCクラシックやドバイWCを制するダート巧者といっても言いすぎではない。芝では凱旋門賞が頂点になるが、英ダービーを中心に、芝の2400m前後のレースの評価は驚くほど低くなりつつある。
求められる真のチャンピオンは、芝もOK、ダートも文句なし。クロフネやアグネスデジタル型に移っている。
ここはダート5勝のインタータイヨウが人気の中心で、また同じ55キロならまず崩れそうにないが、最大の注目馬は芝で2戦2勝のミッドタウン。新馬を鋭く伸びて快勝のあと、格上がりになった前走もまだ余力十分のストライドで上がり33.9秒。秘める資質Aランクをみせつけた。
今度は格上がりのオープンで、初めてのダート、左回りも初。死角は大きいが、直前、北のダートコースで追って、ダートにもまったく不安のないストライドだった。
父ディンヒル(その父ダンツィヒ)の産駒はたしかに芝向きのスピード型が多いが、関西のタマモルビーキング、また昨年の安田記念2着のブレイクタイムなど、母方にダート巧者の血が流れていれば、決してダートを苦にすることはない。ミッドタウンの場合、母方にアメリカのダート血脈の血が濃く、まず心配ないだろう。
もう芝ではA級の素質を秘めることを示しているが、これでダートも実際にOKとなれば、第2のアグネスデジタル型に育つ可能性が大きくなる。
NHKマイルCで不利のあったサードニックスも、芝もダートもOKの成長株だ。