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馬体重(1)

  • 2010年06月23日(水) 15時00分
 短縮についてしばらく書いていこうと思っていたが、先週馬体重の話が出てきたので、ここで馬券の大切なキーを握る馬体重の考え方を先にしっかり押さえておきたいと思う。

 馬体重はMではかなりの比重を占める。

 馬体重で当日に買う馬券は半分で済むと言っても過言ではないだろう。馬体重の意味を知ることが、回収率を飛躍的にアップさせる、簡単で、最も効率的な方法なのだ。

 その馬体重の意味とは何か?

 馬は500キロ近くある。そこで例えば2キロ増減しても、人間にしてみれば0.2キロ変わっただけに過ぎない。

 そんな増減で果たして競走能力に目に見えるような影響があるのか?

 もちろん、ほとんどない。

 体を鍛え抜いて極限を求められる陸上選手でも、私は専門外なのでよくは分からないが、恐らく0.2キロなら、それほど決定的な意味は持たないだろう。ましてや、馬は全能力を出し切ることはまずない。無理矢理走らされている競走馬は、普段、8割前後の力で走っているのだ。したがって、極限で走っていない馬にとって、2キロの体の変化などは、能力には全く支障を来さない。

 能力に影響を与え始めるのは、だいた8キロぐらいの増減からだろう。

 しかし、実際の競馬ではたった2キロの増減でも致命的な場合が多いのだ。

 それは、競走馬が能力を出し切っていない理由を考えれば分かる。競走馬は基本的に嫌々走らされているのだ。そこに例えばフレッシュさとか、ショックとかが嵌ってポジティブに物事を考えられるときには100%に近いパフォーマンスを出す場合があるし、逆にストレスがきつければ6割の力を出すことも容易ではない。

 つまり、競走馬の走りを決めるのは、そのときの心身状態、生命リズムに他ならないのだ。

 そして、その生命リズム、競走馬のバイオリズムを端的に表すのが馬体重なのである。

 人間でも、環境で食欲が変わったり、体調が変化したりで、体重が減ったり、逆に増えたりする。競走馬の場合、走るという行為に関しては極めてデリケートで、人間以上に過敏である。したがって、精神的な状態がそのまま反映される。全能力を出し切っていないからこそ、その4割前後の上下幅がある「余力」の部分は、心身状態で決定されるのだ。だから心身状態のバイオリズムを端的に表す馬体重の増減は極めて重要なのである。

 次回はどういう馬体重がよいのか?について考えていこう。

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ストレス、ショック療法など、競走馬の心身構造を馬券にする「Mの法則」を発見し、従来の競馬常識を完全に覆した。現在は、競馬雑誌等で活躍中のほか、馬券研究会「Mの会」を主催し、毎週予想情報の提供を行なっている。主な著書に「短縮ショッカー」、「ウマゲノム版種牡馬辞典」、「ポケット版 大穴血統辞典」などがある。

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