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もうひとつの競争

  • 2002年07月11日(木) 00時00分
 今年から、全国一斉に2歳新馬戦がスタートし、先週でそれぞれひと開催を終え、福島で8頭、函館で11頭、阪神で8頭の計27頭が勝って順調なスタートを切っています。

 勝つと負けるでは大違い、中には3戦目でようやく勝った馬もいます。とにかくひとつ勝てば、あとはゆっくり安心して休んでもいられます。そのひと休みが若い馬には何よりで、それによって成長を促せるのです。この27頭の中から、その馬が出世していくのか、それを探る楽しみが新馬戦にはあります。

 そしてもうひとつ、新しい種牡馬たちが話題になるときでもあります。

 ところが、今年初めて産駒をレースに送り出すサイヤーは35頭、ここ20年で一番少なく、今のところ、ビワタケヒデ産駒が勝っているのが目につく程度で、どうもこれまでとは異なる雲行きです。

 昔は、いくら人気のある種牡馬といっても、種付け頭数が100頭を越すということは滅多にありませんでした。40年ほど前、チャイナロックが100頭に種付けしたというのがニュースになったことがあるほどです。

 それが今では、サンデーサイレンス、フジキセキなど、その倍の種付けをするサイヤーも登場し、それだけ、種牡馬の生き残りをかけた競争も激化しています。評判馬への注目が高まり、健康管理、ノウハウが進化したことでこういう傾向になったのでしょうが、逆に言えば、種牡馬になれたとしても、早いうちに産駒が走らないことには、あっという間に牧場の片隅に追いやられてしまいます。

 その点、サンデーサイレンス系は大人気、早くも孫世代のダイタクリーヴァが種牡馬になりました。この勢いは、当然、産駒が勝ち続けた結果出てきたもので、この一族だけで30頭を越す種牡馬の数になり、今後どうなっていくのか、ちょっと気になるところです。

 血統の片寄りは、当然良くないので、この面の新風が吹くことを願っています。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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