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馬体重(3)

  • 2010年07月07日(水) 18時00分
 この馬の理想は440キロ台かもしれない。しかし、この間話したように、馬体重はそれほど競走能力に劇的な影響は及ぼさない。

 問題は気持ちなのだ。せっかくの休養だったのに、馬はビシビシ攻められて、絞り込まれた。これでは、生命力が枯渇して、休み明けで大事なフレッシュさを失ってしまう。馬が走ることに対して拒否反応を起こすリスクが高まる。

 もちろん、休養前に太目だった馬が、馬体が絞れ、正常に戻って好走する例は多い。しかし、この場合は意識的に攻めて絞るのではなく、リフレッシュした生活の中で、自然に生理的に理想馬体重になっていることによる場合が多い。つまり、リフレッシュしたことで、生命体として正常に戻ったという形だ。

 だから私は、意識的にサンライズマックスが絞ってくると言っていたので、適条件でリフレッシュして馬券的には魅力充分な馬だったが、前日から評価を下げることが出来た。もし、この情報がなければ本命にしていたぐらい良いステップだったのだ。馬体重の最大の問題は前日では分からないことなのだが、この場合は前日から分かる有り難い例になったわけである。


 馬体重のポイントを順を追って説明する予定だったが、分かりやすい例が今週あったので、記憶の新しいうちに振り返っておこう。

 函館スプリントSだ。このレースでは、2頭面白い馬がいた。ハイペースの内枠で洋芝が合うワンカラット。まだ1200mの経験が少ないのもフレッシュで良い。次はアポロフェニックス。やはり洋芝のハイペースが合う。1200m鮮度はないが、前走凡走で直近ストレスがないのがプラス。相手は1400mからの短縮ショッカーになるアーバニティと、休み明けでフレッシュなビービーガルダンが考えられる。

 ワンカラットとアポロフェニックスの場合、ステップは良いのだが、1つだけ問題があった。それは中2週で函館への重賞転戦である。精神的なステップはよいのだが、肉体的に疲れが出る可能性はある。

 そこで2頭とも、「大幅増減注意」と前日予想の「レースのポイント」というコーナーで書いた。結局、ワンカラットは2キロ減。しかしアポロフェニックスは前走4キロ減っていたのにまた8キロ減。疲れが出た可能性がある。

 前日は配当が倍以上違うのでアポロフェニックスから入ろうと考えていたが、この馬体重ならワンカラットから入るべきだろう。

 北海道競馬の場合は環境がガラリと変わるので、心身に影響が出やすい。そしてそれは単純に馬体重に出るケースがほとんどだ。これから北海道競馬が続くので、このことは覚えておいて欲しい。

 さて、ここからは先週までの復習問題になる。ビービーガルダンとアーバニティの馬体重だ。ビービーガルダンは休み明け。アーバニティも中6週。ともにレース間隔を開けていた。

 この場合はどういう馬体重が正解だろうか?

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ストレス、ショック療法など、競走馬の心身構造を馬券にする「Mの法則」を発見し、従来の競馬常識を完全に覆した。現在は、競馬雑誌等で活躍中のほか、馬券研究会「Mの会」を主催し、毎週予想情報の提供を行なっている。主な著書に「短縮ショッカー」、「ウマゲノム版種牡馬辞典」、「ポケット版 大穴血統辞典」などがある。

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