※前回
馬体重(3)からの続き
レース間隔を開けているわけだから、基本的に増えていた方が良い。間隔を開けたことによって上手くリフレッシュ出来た場合、普通は増えてくる。
また、この2頭の脚質にも注目して欲しい。逃げ、先行馬だ。馬体重と馬のタイプ(M3タイプ)、脚質は密接に関わってくる。
逃げ、先行馬や、S系、L系[※注]は増えてきた方がよいケースが多いのだ。逃げ、先行馬は気分良く前に行くというのが好走する上で重要になる。ダッシュを効かせた後は惰性で雪崩れ込むのが基本だからだ。こういう競馬の場合、テンから気持ち良く生命力を漲らせて走る形がよいので、太っていた方が勢いが付くのだ。直線で、頑張って相手を差す必要はないので、研ぎ澄まされた集中力とは無縁である。したがって、ストイックに体を絞る必要はない。
2頭とも間隔を開けた逃げ、先行馬だけに、余計に増えてきた方がよいわけだ。
そして当日は、
ビービーガルダンが4キロ増。だが、
アーバニティは8キロ減と大幅減。これでは気分良く前に行けない。しかもアーバニティの場合、前走は間隔を詰めて馬体を6キロ絞って好走した後だ。それからまた8キロ減では、2走前からは14キロ減。単調に先行するのが売りのアーバニティは、この馬体重発表時点で、ほとんど馬券を買う必要はない。馬体重を見れば、この3連単万馬券も、2、3点以内で簡単に当てられるわけだ。
ここから、馬体重の基本の話に戻ろうと思っていたのだが、今週、またちょうど良い馬体重のサンプルレースがあったので忘れないうちに振り返ってみたい。毎週のように、というか毎レースがほとんどサンプルレースになってしまうのが、馬体重の特徴でもある。
七夕賞だ。
私はこのレース、
アルコセニョーラから予想し、馬連万馬券を2点目、3連複万馬券も3点目で当てた。しかし、馬体重理論を知っていれば、2点目でなく、馬連万馬券は1点目で、しかも大きくこの1点目に張ってガッポリと儲かったのである。
まず本命にしたのが6番人アルコセニョーラ。前走が17着惨敗でストレスが無く、2走前1800m→前走1600mで今回2000mの「バウンド延長」になっている。加えてアルコセニョーラはMではC系血統。つまり集中して走る。したがって、単調な競馬になりやすい東京コースより、混戦になりやすい福島多頭数の方を好む。得意な条件へのショックだ。
ここまでは、Mの基本になる。
で、馬体重だが、私は「絞れた方が良い」と予想に書いた。だが、今回は中7週と間隔が開いていたのだ。間隔が開いた場合は、増えていた方が良かったのではないか?
[※注]
S(闘争心)
M3タイプの一つで、闘争心を持つ馬を表す。他馬との関係性を絶ち、自分勝手に一本調子に走りきろうという性質。Sの由来は闘争を表す“Struggle(英)”の頭文字から。
L(淡泊さ)
M3タイプの一つで、淡泊さを持つ馬を表す。自分のリズムで淡々と走ろうとするタイプの馬で、延長や少頭数、広いコース、外枠、弱い相手との競馬が有効的。Lの由来は軽さを表す“Light(英)”の頭文字から。
C(集中力)
M3タイプのひとつで集中力を持つ馬につく。集中して多馬との相手関係の中で走ろうとする性質。レース間隔を詰めたり、馬体重を絞ったり、内枠、強い相手との競馬など、摩擦の多い状況を得意とする。Cの由来は集中力を表す“Concentration(英)”の頭文字から。
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