先週の
小倉記念の続きだが、まずは
サンライズベガ。前走は休み明けの4キロ減で3着に好走。休み明けの馬体減りはいけないのでなかったか?と疑問に思う読者も多いだろう。
基本的にはマイナスだが、走るケースももちろんある。サンライズベガの場合は前走が太目で、七夕賞は生命体として自然な減少だった。しかも暑い時期だから、冬や春で太かった馬の休み明けは自然に少し馬体は減りやすい。そして差し馬。差し馬は馬群を割るのに集中力を使うのだった。ということで3着に好走。お陰で3連複の万馬券も獲らせて貰ったのである。しかも、その内容が強かった。出遅れて、スムーズさを欠きながら捲って3着だったのだ。だから今回も人気に支持された。しかし、今回は危ない。休み明けで馬体が減りながら好走。この場合、馬体減りは休み明けの走り以上に、次走にダメージを残しやすい。細い体で頑張ったのだから、次走は余計に疲れる。しかも不利を受けながら強引に好走。これも何ともまずい。
ディープインパクトマイネルスターリーの小倉大賞典とこれは全く同じ形である。精神的なダメージが残りやすいのだ。
次は
ホワイトピルグリム。馬体重は特に問題なかったが、臨戦過程に問題があった。連続4着に好走後の中2週。クロフネ産駒は生命力が充実していないと2000m重賞は走れない(これは血統の連載を参照のこと)。ハイペースになった場合、体力切れの懸念がある。
続いて前走2着で万馬券を獲らせて貰った
アルコセニョーラ。あのときの解説を覚えている人なら、説明の必要はないだろう。今回は中2週の短期間に12キロ増。集中力が切れている。C系の差し馬がこれではノーチャンスだ。前走は本命だったが、もちろん今回は一円も買う必要はない。
ということで、馬連89倍を1点目で当てることが出来た訳だ。
ちなみに
ニホンピロレガーロの8キロ減はどうか?これも休み明けを考慮すると良い話ではない。ただ同馬はこれより軽い馬体重で、5走前の目黒記念を人気以上に頑張っている。自身の馬体重としてはOKで、夏になっての生理的な馬体減りと捉えられる。加えて差し馬で、しかもC要素の強い馬。したがって馬体減り自体は悪い傾向ではない。それでも1、2番人気なら、休み明けでこの馬体重では買い控えたかもしれないが、9番人気。この馬体減りが自然な生理現象ではない可能性、つまり凡走要因になる可能性が6割あったとしても、単勝19倍ならお釣りが来る。
ところで、先週の小倉記念に続いて今週の
関屋記念も、3連複の183倍を前日予想の3点目で当てた。
本命は
セイクリッドバレーで、予想では「絞れて欲しい」とした。レース間隔は中7週と開いていたが、前走は過去最高馬体重の太目。しかも同馬はC要素の強い配合で、さらには差し馬。減ってくる方が理想なのだ。当日は12キロ減。少し減りすぎではあったが、増えてくるよりは全然良い。ということで、この馬体重で勝負の度合いはぐっと強まった。
ただ2着。勝ったのは
レッツゴーキリシマだった。同馬は休み明けの逃げ馬。休み明けは気持ち良く生命力を噴出させる逃げ馬にはプラスに作用すると以前解説した。したがって相手の1頭に評価したのだが、休み明けの理想である絡まれない逃げを、しかもスローで出来たために、勝ち切られてしまったのは少し余計ではあった。
ところで馬体重は4キロ減。前走が3走前からは18キロ増で太かった。今回の馬体重でも連対時最高馬体重よりも太い。夏の自然な生理現象という範囲で良いだろう。したがってプラスではないが、マイナス材料でもない。
問題は
リザーブカードの方だ。休み明けでリフレッシュしていたので3番手に予想で評価した馬だ。その馬が休み明けで8キロ減。正直、これは微妙だ。ただ、同馬が最後に3着以内に入ったときの馬体重よりは重い。夏場の生理的な馬体減り現象の範囲と考えられるし、短距離血統の中では比較的C要素のあるサクラバクシンオー産駒だ。加えて差し馬。したがって、減ってくること自体は休み明けでなければマイナス材料ではない。ただ今回は休み明けの8キロ減だ。そこで買う金額は落とした。しかし、3連複も4点買いで買い目に入れた。それはやはり10番人気という人気面が多い。馬体重がマイナスに働く可能性が8割あったとしても、単勝24倍ならお釣りが来る(同馬が人気馬なら私も買わなかったろう)。
結果、3着。3連複の183倍を3点目で当て、また馬連の29倍もリザーブカードの馬体重がおかしかったので厚めに買ったので、なおさら儲けることが出来た。
このように馬体重は馬のタイプ、臨戦過程、脚質、オッズ、季節などから期待値を考えて使うとより効果的になる。
お知らせ
Mの法則の凄さをさらに体感するなら、毎週金曜日20時更新のコラム「
馬券の天才かく語りき」を是非お読みください。現在、種牡馬ごとの分析、ならびに直近のレースでの検証など、週末の予想からすぐに使えるテーマを連載中です。
※「馬券の天才かく語りき」は
netkeibaプレミアサービスのコラムです。
|
今井雅宏が新刊を発売! 今井雅宏の新刊『競馬王新書 ポケット版大穴血統辞典』が2009年9月19日(土)に発売されました。
天才・今井雅宏が穴党のためだけに構築した血統辞典『ウマゲノム版種牡馬辞典』の最新刊でもあり、持ち運び可能なポケット版となっています。競馬場でパラパラと見ながら馬券の参考にできるのが最大の特徴。
80頭分の父・母父の心身構造を、タイプ(M3タイプ)、走りやすいパターン(オプション)、好不調の波(リズム)、激走・凡走能力(指数)などでワンポイント解析します。
もちろん、netkeibaプレミアコラム「馬券の天才かく語りき」も完全収録しています!
|