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函館記念から

  • 2002年07月25日(木) 00時00分
 荒れるレースへの期待は、いつも大きい。だからと言って、いつも波乱ということはない。事前に、その辺のところをつかめたら、まさに競馬の達人なんですが。

 難解なレース、すなわち波乱ということでもなく、先週の函館記念の結果をどう受け止めたらいいのか、万馬券は3連複だけでした。夏場の重賞は、より、実績よりも調子というのがセオリーで、人気もそんな風になっていたと思います。ところが、異様に時計のかかる芝のコンディションが、難しさの度合いを深めていました。

 勝ちタイムの2分5秒1、とても良馬場のG3の2000mとは思えないもの。誰かが30年前の競馬のようだとつぶやいたのも分かります。史上3番目に遅い時計、それも、ワーストタイムが不良、その次が重でのものとなれば、事実上今年は1番遅い決着とも言えます。ところが、通常よりも3秒はかかる馬場だったというのが専らで、馬場改良の歴史を積み重ねた結果、こういうことも起こるという事例として記憶しなければならないでしょう。相次ぐスピード馬の敗退、これこそ、今年の函館の芝の最大のポイント。ここで勝った馬たちの敗因のひとつに、この馬場状態を付け加えておかないことには、次の参考にはならないでしょう。

 不可思議な敗因の中には、重い芝馬場をつけ加えておき、その馬の可能性を見い出しておくことも重要で、残り少ない今期の函館をしっかり見ておくつもりです。

 新潟と小倉の芝は時計が速く、これは例年の夏と同じ、従来のコース巧者の出番が続くものと思っています。とにかく、しばらく開催が続くのですから。こちらは、いくら時計が早いからといって逃げ切りは少ないという傾向があり、微妙にペースが速くなっています。逆に、こういう流れですから注意すべきは逃げ、先行馬というのも競馬の面白いところでしょう。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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