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馬体重(9)

  • 2010年08月18日(水) 18時00分
 今週はクイーンSで3連複68倍を3点目で当てた。これで2週前の小倉記念万馬券、先週の関屋記念万馬券に続いて、3週連続で重賞の50倍以上3連複を3点目以内で当てたことになる。昔からのMファンならよく知っていることだが、Mは荒れれば荒れるほど、特に重賞は3点目以内で当てることが出来る。そういう構造をMは本来的に内蔵しているのである。

 今回のクイーンSは、これまで書いてきた「馬体重理論」を知っていれば、当日はさらに馬券を絞り、激勝できるレースだったので、馬体重の応用編としてみてみよう。

 私の本命は6番人気カウアイレーン。予想では「軽く増えて欲しい」と書いた。休み明けなので馬体は増えた方がよい。これは今までの解説通り。ただ「軽く」と書いた。それは休養期間の短い古馬であること、それと初の札幌滞在での競馬により、調整ミスで増えすぎるのが怖かったからだ。当日は18キロ増。少し増えすぎた…。ただ休み明けで、非C系なので、まぁ許容範囲。少なくとも減るよりは全然良い。ということで、当初の予定より単勝を減らしたが、馬券を買った。

 対抗にしたのは1番人気ヒカルアマランサス。前走はGI激走のストレスが出ただけで、全く気にする必要のない敗戦。ストレスが薄れたことを評価した。ただ予想の「レースのポイント」というコーナーでは、「大幅増減注意」とした。何故か?それは前走の5着凡走だけで、果たしてGI激走の疲れが取りきれるか?微妙だったからだ。当日は大幅増の12キロ増。これで疲れが取りきれずに、馬が走るのを放棄した可能性が強まった。ちなみに前走の10キロ増凡走も、馬が走ることを放棄したタイプの馬体増であった。

 次に評価したのがプロヴィナージュアプリコットフィズ。プロヴィナージュは間隔が軽く開いているので増えても良いが、前走の馬体重は秋華賞で3着に入った頃と比べれば10キロ増。夏の生理現象としては増えなくても普通だ。当日は増減なし。加点もなければ減点もない、無難な馬体重だ。

 アプリコットフィズはレースのポイントで、「しっかり増えてくればだが」と書いた。休み明けだから増えた方が良いし、前走が細かったので当然増えた方が良い。レースのポイントで、「怖いのは初めての北海道競馬の環境に戸惑って馬体が増えないケース」だと解説した。したがって10キロ増は極めてグッド。素晴らしい、実に素晴らしい馬体増だ。

 以上から、馬体重発表で、カウアイレーンはやや減点、ヒカルアマランサスはかなり減点、プロヴィナージュは修正なし、アプリコットフィズは大幅加点となる。

 そこで、当日は人気サイドのために買う予定のなかったプロヴィナージュからアプリコットフィズの馬連を買い目に入れ、またアプリコットフィズの単勝も買った。1番人気が勝つ可能性が馬体重から極めて低くなったため、ここで伝家の宝刀、単勝爆弾の発令である。

 単勝爆弾をした理由がもう1つある。それは4番人気ブラボーデイジーの20キロ減だ。もともと552キロと大型馬で、しかもここ2走連続馬体増。近2走の凡走原因の1つが、この太目だった。ならば20キロ絞れても良さそうなものだが?

 いや、これは断じていけない。馬体重発表段階で、100%この馬の3着以内はなくなった。いけない最大の理由は陣営の発言にある。そう!今までの馬体重の連載を、今こそ思い出すときだ。


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ストレス、ショック療法など、競走馬の心身構造を馬券にする「Mの法則」を発見し、従来の競馬常識を完全に覆した。現在は、競馬雑誌等で活躍中のほか、馬券研究会「Mの会」を主催し、毎週予想情報の提供を行なっている。主な著書に「短縮ショッカー」、「ウマゲノム版種牡馬辞典」、「ポケット版 大穴血統辞典」などがある。

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