どのような傾向が馬場に発生しているのかを朝のうちにチェックしなければ、その日の勝利はないと言っても過言ではないだろう。芝のバイアスは一日単位で目まぐるしく変わる。特に近年は馬場管理が徹底されているので、ひとつの傾向が持続する確率は以前よりはるかに減少しているのだ。
この夏の小倉芝1200mも特殊だった。
まず、
1回小倉。7番人気以降の人気薄で連対した馬の前走を抜き出してみよう(前走が存在しない新馬を除く)。芝2000m(8番人気2着スナークトマホーク)、ダート1200m(9番人気1着ローザペルラ)、芝1200m(11番人気1着チャームペンダント)、ダート1200m(17番人気1着オーナーズアイ)、ダート1200m(8番人気1着ユメイッポ)、芝1600m(8番人気1着シゲルシャチョウ)。実に6頭中5頭が前走ダートか短縮の馬だった。前走が芝1200mだった馬はわずか1頭しかいない。明らかに通常の小倉芝1200mの状態。つまり、タフなために体力補完系ショックがよく効いている。
しかし、異変は
2回小倉初日から起きる。14番人気2着したクニサキロンチーは前走芝1200mだった。続いて12番人気1着したスマイルバラッドはダートからだが、1150m。つまり延長である。続く9番人気2着トシキャンディの前走は芝1200m。7番人気2着のタマモピアスも9番人気2着のユメイッポも芝1200m。最終日のアラマサマンボウの9番人気2着が辛うじて短縮という内容だった。
つまり、2回小倉になるとバイアスが一変していたのだ。ダートから芝や短縮の穴が出ないというのは、単調な前残りバイアスに変化したことを意味している。
このように人気薄が来たときのステップを見れば、そのときの馬場の摩擦レベルがよく分かるのだ。なぜなら、人気薄の馬は能力がやや足りないか、状態が悪い馬が多い。そういう馬が激走するには、何か理由がなければいけない。だからこそ、データ分析のときは人気薄が激走した理由を考えるのが最も重要になるのである。
それでは、この馬場傾向が変化した原因と意味とは何だったのか、その結果もたらされたのは一体どのような光景だったのだろうか。
次週はその辺りを見ていこう。
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