そろそろ、秋をにらむ有力馬がGレースに顔を見せるようになりました。すでに実績十分であれば、目標をどこに置いているかで、このローカルの戦い方があります。早い話が久々の再スタート、ローテーションを考えた仕上げ方があるということです。
8月の札幌クイーンSは、まさにそんなレースでした。
この1800mは、小回り平坦コースのためスピード馬が思い切りレースをする馬でもあり、それが巧く当たるかどうか、逃げ馬にとっては一か八かのところがあります。ヤマカツスズランに果敢に挑んだダイワルージュにとり、この場面でどう逃げられるか、やってみるだけやってみようという走り方でした。ここで成功すれば、今後、この先輩牝馬のお株を奪うことが出来るという見通しが立ちます。結果は、オーバーペースを生み大惨敗に終わり、2頭とも力及ばずでした。
こういうハイペースになると折り合ってレースのしやすいダイヤモンドビコーが、昨年同様に追い込んできました。この馬は、ハイペースにしか良績がなく、今年の2着は、上出来の部類でした。ティコティコタック、レディパステルの久々の2頭は、いずれもG1馬、この先の目標を見据えているのは明らかです。それぞれに、ゴール前は追い込んで来て、見所は十分ありました。再スタートの一戦らしい仕上げであり、レース振りだったと考えていいでしょう。
クイーンSはこう言うレースですから、勝ったミツワトップレディ、3着のサクラヴィクトリアは、思い切ったレースで力を試す絶好の舞台でした。
この速いペースを正攻法で堂々と4番手から追い掛けたミツワトップレディも、最後から一気に追い込んできたサクラヴィクトリアも、どこまでやれるかの思い切った戦法がはまったレースで、秋になると、また別の結果が待っているはずです。