先週は、京都芝1400mにおける内回りと外回りの違いについて見てきた。
内回りはペースが厳しくなるため、前走前に行った馬には比較的不利で、外回りは流れが緩くなるため逆に前走前に行った馬が有利なのだった。
ところが、短縮ショックを見ると面白い逆転構造が起きている。外回りは短縮ショックがよくハマるのだが、内回りはそれほどハマらないのである。これは、どうしたことだろうか。
そこでまず、外回りからじっくりと検証してみたい。
外回りでは、短縮ショックの単勝回収率は108円、複勝回収率は80円と高い数字。これが同距離になると、単勝回収率49円、複勝回収率56円と格段に回収率が下がる。1400mは単調な距離なので、前走も1400mだと飽きるし、今回がタフに感じるということだろう。
面白いのは延長の集計で、単勝回収率72円、複勝回収率83円と短縮ほどではないが、同距離よりも回収率が高いという現象が起きている。
これには同距離が抱えているストレスという問題のほかに、もうひとつの問題が考えられる。
それは、1400mで好走する馬は、速い上がりを繰り出して好走することが多いので、過剰な人気になりやすいことだ。そのために、延長より同距離の方がかなり低い回収率になっているのである。実際、好走率では同距離と延長の差はほとんどない。
ただ、好走率で見ても、短縮に関しては同距離をかなり上回っている。これは比較的珍しい現象だ。というのも、距離変更をしてくる馬というのは、成績が頭打ちで現状を打開するために路線変更をしてくる馬の比率が高いからだ(最近は走るつもりもなく、権利取りで登録したら間違って出てしまったというケースもある。この場合は、調教自体もまともでないことが多い)。そのため基本的に好走率は同距離より下がりやすいのだ。逆に同距離の場合は、好調な馬が同じ条件を使ってくるケースが多い。このように、同距離の方が好調馬が多いのが常識で、そのため、統計的には同距離の方が好走率は高くなりやすい。それだけのアドバンテージがあるのに、好走率も低いということは、相当きついストレスが存在することを意味しているのだ。別の見方をすれば、短縮にかなりのアドバンテージが存在するとも言える。では、どこにそのアドバンテージがあるのだろう。
短縮で今年テレビ愛知オープンを単勝24.1倍で勝ったショウナンラノビア。同馬の前走は1800mで、2走前は1400m。そして前走は1800mで逃げていた。つまり1400m→1800m→1400mの「バウンド短縮ショッカー」である。
ちょうど昨年の今頃、1000万を単勝44倍で1着したラフレッシュブルーも全く同じ1400m→1800m→1400mで前走逃げていた「バウンド短縮ショッカー」だ。
同じく昨年の同時期にスワンSを16番人気で2着に激走したアーリーロブストもダート1700m→ダート2100m→芝1400mのバウンド短縮だった。
つまり、3頭ともMで評価の高いバウンド短縮なのだが、実はそれ以上に気掛かりな共通項があった。それは3頭とも、今回、1,2番手で競馬をした点だ。
いわゆる、「逃げ、先行馬の短縮」という「逆ショック」なのである。
この現象が意味することとは何なのだろうか。
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