最近は関東馬が栗東に滞在して関西圏のレースに出るパターンが多い。特にGIとなると、多くの馬がこの形を取るようになった。これは、長距離輸送のリスクを減らすことと、栗東の施設を使って鍛えることが目的だ。
例えば1月16日の日曜京都3Rに、
テラノチョイスという関東馬が出走していたのだが、この馬も栗東滞在馬だった。
前走のダート1400mでは結構速い流れの中、途中からハナに立つ強引な競馬で2着。しかも3着以下は0.9秒と引き離していた。相手が悪かっただけで、内容、時計ともに高い評価を与えてよい走りだった。
今回もその前走と同条件のダート1400m。当然期待は高まった。私も新聞の印からノーザンリバーが断然の1番人気で、離れた2番人気がテラノチョイスだと思っていたので、この馬から当てにいっても良いかなと、新聞をパッと見たときにはちょっと考えた。
だが、新聞のコメント欄を見て、私はのけ反ってしまった。
「中間も栗東に滞在して調整した」という旨のものだったのだ。
ぎょぎょぎょっ! として調教師を見たら、加藤征調教師。つまり関東馬じゃないか…。鞍上が藤田で、前走が阪神で、デビュー3戦目でなじみのない馬ということもあり、関西馬とばかり思っていたが、とんだうっかりミスをするところだった。危ない、危ない、関東馬だ。
慌てて、調教欄をもう一度見る。
前走時の直前の坂路調教は55.1−39.9−13.0秒。今回は54.6−39.5−13.1秒。ほとんど同じだったので、最初にパッと目を通したときは、体調変化はあまり気にとめないでいたのだ。
そこで改めて前週の時計で比べてみると、全体時計はあまり変わらないのだが、上がり1ハロンが1秒近く遅い。そして一杯追いなのに、2本とも併走馬に遅れていた。
これ自体は、それほど騒ぐような追い切りでもない。一緒に追い切った相手は格上馬だし、この程度の追い切りの変化は、普段ほとんど意識しない。しかし、これが栗東滞在だとすると…気になる。
馬に良くない事態が進行している可能性があるのだ。それは心身、特に精神的な疲れの懸念である。
生き物は負荷の掛かる状態で長時間いると、次第に疲れてくる。競走馬の場合は、レースという比較的分かりやすい構造の中に身を置いているので、その現れ方はよりシンボリックなものになるのだ。
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