スマートフォン版へ

netkeiba

関東馬の栗東滞在(3)

  • 2011年02月02日(水) 15時00分
 ダンスファンタジアが阪神JFに出走したときも、早くから栗東に入厩させて調教していた。

 気性に難しいところのあるタイプなので、長距離輸送の心配がない栗東滞在はプラスに出る可能性が高いと考えられてのものだし、私もその可能性の方が高いと考えていた。
 しかし、長期の栗東滞在で逆にストレスを感じてしまうケースもある。

 どちらになるか悩んだが、単勝1倍台の断然人気だったレーヴディソールに勝つには、栗東滞在に成功した場合のダンスファンタジアしかいないと考えて、彼女を一か八かで本命にした。速い流れなら、精神コントロールの難しいタイプでもコントロールがしやすくなるという読みもあった。

 結果、ダンスファンタジアはスタートから精神コントロールが出来ずに出遅れて、仕掛けて、かかってと、まったく競馬にならなかった(スローになったので、余計に精神コントロール出来ずに、かかってしまったという側面もあったが)。

 その後、美浦に戻ってフェアリーSを0.4秒差で完勝したのを見ても分かるように、明らかに阪神JFは栗東滞在がマイナスに作用して、精神コントロールがつかなくなってしまったものであり、能力とかそういったものが影響したのではないことが分かる。

 これとは逆に、関西馬が関東圏のレースに臨む場合もパターンは様々だ。

 例えばケイアイガーベラ
 初の東京競馬場でのレースは、武蔵野Sだった。前走が0.9秒差の圧勝ということで1番人気に支持される。しかし、以前船橋で競馬をしたときの内容が私には気がかりだった。このときも前走0.8秒千切って勝った後に、2番人気に支持されて4着に敗れたのだった。

 これでは、関東圏への輸送で精神が参ってしまうという可能性を否定できない。
 そこで私は、前日予想でグロリアスノアを本命にした。結果、ケイアイガーベラは懸念された精神的問題が出て15着に惨敗。お陰で、馬単万馬券を当てることが出来たのだった。

 その次走、地元阪神で行われたギャラクシーSは0.4秒差で完勝。惨敗からあっけなく巻き返したことからも、武蔵野Sが精神的な問題によるものだったことが分かる。

 このギャラクシーS快勝の余勢を駆って、再び東京に遠征してきた。1月30日の根岸Sである。

 武蔵野Sはマイル戦で、今回は得意の1400m。また、直前の長距離輸送を回避すべく、今回は美浦に滞在しての調整という形を取っていた。

 それらのことが考慮され、今回もまた1番人気に支持されたのである。
 しかし、これはいかにも怪しい。



恐怖の大穴血統辞典
待望の新刊ポケット版「恐怖の大穴血統辞典」が10/8(金)に発売!

 より緻密(データ数値精度アップ)に、より大胆(新指数・新種牡馬先行解説追加)に深化!競馬の根源を揺るがす大穴の構造が暴かれた「実践型血統辞典」!!

 今作では、80頭分の父・母父のデータを、タイプ(M3タイプ)、走りやすい条件(オプション)、好不調のパターン(リズム)、激走・凡走能力(指数)、距離変更対応力(短縮延長データ)、各条件別データ、ワンポイント解説で詳細に解析。データの数値は前作より精度をアップさせ、さらに馬券直結度を重視。

 また、待望の新指数「高速上がり指数」と、ディープインパクトやハーツクライなどの新種牡馬の先行解説も追加。多くの種牡馬に対応した辞典が完成しました。もちろん、『netkeiba.com』にて大好評連載中のコラム「馬券の天才・かく語りき」も2009年夏〜2010年夏を収録。データ+読み物で最新の種牡馬事情が丸裸になります。最新版であり最強版の大穴を獲るための種牡馬辞典、いつでも携帯して馬券に活かしてください!!

>>Amazonでのご購入はこちらから


お知らせ
 Mの法則の凄さをさらに体感するなら、毎週金曜日20時更新のコラム「馬券の天才かく語りき」を是非お読みください。現在、種牡馬ごとの分析、ならびに直近のレースでの検証など、週末の予想からすぐに使えるテーマを連載中です。
※「馬券の天才かく語りき」はnetkeibaプレミアサービスのコラムです。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

ストレス、ショック療法など、競走馬の心身構造を馬券にする「Mの法則」を発見し、従来の競馬常識を完全に覆した。現在は、競馬雑誌等で活躍中のほか、馬券研究会「Mの会」を主催し、毎週予想情報の提供を行なっている。主な著書に「短縮ショッカー」、「ウマゲノム版種牡馬辞典」、「ポケット版 大穴血統辞典」などがある。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング