さて、先週は小倉滞在で
小倉城特別に臨む
チャーリーポイントの話をした。
この馬は前走の唐戸特別は美浦で前週に追い切り、その後小倉に入って、水曜に目一杯追っていた。結果、3着に好走。
そして迎えた小倉城特別。今回は同じ小倉滞在だが、調教は軽め。前走で馬体が仕上がっていたので、軽くて良いということだ。
実際、物理的にはそうだ。仕上がっている馬を、思い切り追う必要など単純な物理機能を考えた場合、どこにもない。
だが、精神的にはどうだろうか?
小倉から来た直後に、激しく追って1レースをこなす。
このときの気分は容易に想像が付くだろう。
環境が変わって、激しい練習。今までと気分が変わって、気が一気に引き締まる。よそ行きの戦闘モードの出現だ。
この段階での反応は、馬によって異なり、主に2タイプに分類できる。
1つめのタイプは、環境が変わっていきなりビシッと追うことで、戦闘モードを通り越して緊張の極地に達してしまったり、イライラしてしまうタイプ。そうなると、自分の力を半分も出せずに凡走してしまう。
2つめは、環境が変わって、かつビシッと追うことで戦闘モードに入り、集中したままレースを迎えられるタイプ。このタイプは、レースでピークに近い自分の力を出すことが出来る。
では、チャーリーポイントの場合はどちらだったろう?
唐戸特別は5番人気3着。人気以上に走っているわけだから、かなり真剣に走っていたことが分かる。その前の4着、5着という着順を考慮すれば、余計にそう考えるのが普通だ。
したがって、後者のパターン、戦闘モードを集中力に転化させた状態のまま、レースを迎えられたと考えることが出来る。
好走したように、馬体もちょうど良い具合に仕上がっていたのだろう。
そこから中1週。ならば、ちょうど良い状態に仕上がっていた馬を強く追う必要など、確かに何も無い。私が調教師であっても、強くは追わないだろう。
だが、それはあくまで肉体機能においてであり、馬を長期的に責任を持って預かり、管理する立場にとってだ。
調教は、主に肉体機能を高めたり、調整したりするために行われる。しかし、馬券を買うという切羽詰まった立場の我々にとって調教で重要なのは、むしろ今回のレースへ向かっての精神的な方向性を、結果として馬に与えてしまうということなのだ(もちろん、必ずしも強い追い切りが必要なわけではない)。
生命体というのは、人間を含めて、陽と陰、プラスとマイナスの動きに支配されている。言い換えれば、それはMでも度々出てくる「リズム」である。
我々の場合、これを直接的に支配しているのが、自律神経の存在だ。
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