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弥生賞のSS系

  • 2011年03月01日(火) 11時00分
 弥生賞はご存知の通り堅い重賞である。どんなデータをいじっても、地味めの結論しか出てこない。

 そこで今回は、馬券上の有用性がありそうな、そうでもなくて単なる豆知識のような、そんな話を書いてみたい。

 弥生賞というと2001年のサンデーサイレンス掲示板独占の記憶などもあり、SSが強いレースという印象が強い。

 しかし実際のデータを見てみると、過去10年のSS系は[5-4-5-35]で勝率10.2%・連対率18.4%。全馬平均が8.8%と17.4%だから、それを僅かに上回っているだけである。しかも回収率は単14%・複68%と低い。

 その原因は簡単だ。とにかくSS系の絶対数が多すぎる=分母が大きすぎるために勝率・連対率を伸ばそうにも限界があるわけだ。しかも人気サイドの馬が馬券に絡んでいるので回収率も伸びない。

 さて、ここからが豆知識的になるのだが、同じSS系(過去10年の出走馬)を社台グループの生産馬とその他の馬に分けた場合、成績はどのようなバランスになってるか想像できるだろうか?

 答えは社台グループ生産馬が[5-3-4-18]、それ以外が[0-1-1-17]。しかも、唯一の連対はいまは無き早田牧場産のアドマイヤジャパンであり、その母ビワハイジはいまではノーザンファームの繁殖牝馬だ。

 11年前以前まで遡ればスペシャルウィークやオースミサンデーがいるが、過去10年についてはいま書いた通り、非社台系でSS系という馬はかなり押されている。

 そこで今年の興味は、この傾向が続くかどうか? ということだ。特別登録ベースでSS系は11頭いるが、社台系が6頭に非社台系が5頭といいバランス。しかも後者にオールアズワンやデボネアのような前走重賞2着馬がいる。そろそろ非社台系の反転攻勢があるのか? という点に注目したい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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