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ブエナビスタとレーヴディソール

  • 2011年03月07日(月) 00時00分
 先週はチューリップ賞が行われました。当然のように勝ったのはレーヴディソール。いくら相手が弱かったとはいえ、内有利の馬場で大外から持ったままの差し切り、そして千切った姿は「強い」という言葉しか出てこないものでした。

 このレーヴディソールは同じ松田博厩舎の大先輩・ブエナビスタとよく比較されると思うのですが、この2頭に共通するところは、筋肉の量で走るタイプではないということです。

 ブエナビスタの方は特にそうですが、筋肉の量自体はあまりありません。よくパドックで、「何であんなに強いのかが分からない」という言葉を聞くぐらいです。

 過去に名牝と呼ばれた馬、例えばウオッカとかダイワスカーレットといった馬は、共に牡馬と並んでも見劣りしないくらい筋肉が発達していましたし、競馬の質も牝馬らしからぬ強さを見せていました。

 しかし、厩舎の特徴もあるのですが、レーヴディソールとブエナビスタはそれほど筋骨隆々とした馬体をしていません。では、この2頭の強さはどこにあるのかということですが、ブエナビスタはツナギの強さ、レーヴディソールは飛節の強さが主な要因だと思います。

 ブエナビスタのツナギは柔軟で、非情に力強いのです。トモの筋肉から発生したエネルギーを地面に伝達するのに、この部分が重要なポイントとなります。だからツナギを見れば適性や能力の大部分を知ることができるわけです。太さ・柔らかさ・長さ共に芝の中距離馬として、正に「理想のツナギ」を持ったのがこの馬なので、ブエナビスタが出走する際にはパドックでこの部分を注視してもらえればと思います。

 一方、レーヴディソールの方は飛節に特徴があります。この部分が非常に柔軟で、硬い馬に比べるて、いわば「二段エンジン」のような走りができます。普通の馬は歩いているときに飛節がそれほど伸びないのですが、レーヴディソールに関してはこの部分が柔軟で、すっと伸びるのです。体型的にはアグネスタキオン産駒だけにマイラー色が濃い感じになっているのですが、この飛節の柔軟性のおかげで非常に大きなフットワークを最小限の筋力で作り出すことができます。

 2頭共に全身の関節が柔らかい、筋肉の質が強いなど他にも走る要因はあるのですが、主な特徴としてはこの部分だと思います。2頭がパドックを周回する際にはこれらの部分をよく観察してもらえればと思います。

 で、どちらが強いのかということですが、ブエナビスタの3歳のこの時期と、今のレーヴディソールを比較すると、レーヴディソールの方が私は強いんじゃないかと思います。

 そほどに強いので、レッドディザイアのような強力なライバルが出てこないと、今年の牝馬クラシックは「観戦レース」になってしまうかも知れませんね。

※3月14日更新分につきましては、競馬開催中止のため休載とさせていただきます。何卒ご了承の程よろしくお願い致します。


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中央競馬で全レースのパドック・返し馬を徹底観察。繋(つなぎ)や蹄、体型、骨量、筋肉の量・質、関節の柔軟性や、脚元、馬具などのデータを採取。そこから競走馬の能力、適性などに加え脚質も見抜き、馬券を組み立てる。パドック派にありがちな本命予想ではなく、複勝で10倍を超えるような穴馬を見つけるのが得意。

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