中距離以上の別定G2は堅い、というイメージをお持ちの方は多いのではないだろうか。
別定G2だと実績馬が出やすい→本来ならG1級の馬が出てくる→順当に上位に入る、というイメージである。反対に、ハンデG2は波乱が多いというイメージをもたれており、最近では前走条件戦組・軽ハンデ組がかなり人気にもなっている。 では、実際のところはどうなのだろうか?
2001年以降に10回以上行われている古馬のG2(つまり阪神カップなどを含まず)を対象にしてみよう。今年既に実施された重賞は11回ぶんを対象とし、他のレースは単純に過去10回となる。
全馬を均等買いした場合の複勝回収率(高いほど荒れているということになる)で見ると、対象となる20レースにおいて、ハンデ重賞は目黒記念が4位、日経新春杯が6位、アルゼンチン共和国杯が12位である。荒れているともいないとも言える、微妙なところだ。別定G2では東海Sが1位、毎日王冠が2位で、逆に下位(堅いほう)は阪神大賞典→日経賞→オールカマーとなっている。
今週肝心の大阪杯はというと、複勝回収率73%で20レース中9位。いちばん中途半端なところである。
ちなみに過去20年で取っても大阪杯は76%なので、まさに「中くらい」なのだろう。
一方で大阪杯は、単勝回収率については過去10年でも20年でも、プラスの数字になってくる。というのも、インターマイウェイ(95年)、トーホウドリーム(01年)とときたま単穴が出ているからだ。
この2頭、前走でも別定G2に出走していて0.5秒差と0.4秒差に敗れている。そしてインターマイウェイは斤量据え置き、トーホウドリームは1キロ増での出走だった。
思えば昨年の1,2着馬も前走別定G2で負けていて、大阪杯は斤量据え置きでの出走。それでも大阪杯では連対できてしまったわけだ。
そう考えると、別定G2を馬の格+斤量のおいしい・おいしくないで解釈するのは限界があるようにも思える。もちろんディープインパクト的な馬が出てきたらあっさり勝ち負けだろうが、その他の馬については既存の価値観を壊すような予想が必要なのかもしれない。
イメージとしては、別定G2でもG3っぽいニュアンスの馬が多数を占める年があり、そういう年は斤量だなんだではなく、ちょっとしたことで着順が入れ替わりやすいというようなことである。
実はトーホウドリームの年はこれだと説明がつきづらいのだが、複穴系の人気薄好走馬はわりとよくこのイメージにあてはまる。
結論として「こう予想すべし」というところに着地はできないのだが、別定G2だからといって格と斤量にとらわれるのではなく、ある意味雑に予想してみることが、穴馬を見つけるためには重要であるように思う。