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阪神牝馬S

  • 2011年04月08日(金) 00時05分
 日程の変更により、先週2日に春の牝馬シリーズの「中山牝馬S」1800mが行なわれたばかり。このレースは距離1400mとはいえ、賞金加算のある実力馬は見当たらず、みんな別定の基本斤量「55kg」。重賞を制した記録があるのは、7歳ウエスタンダンサー(4歳秋の京阪杯1200m)、5歳グランプリエンゼル(3歳時の函館スプリントS・1200m)、4歳ジュエルオブナイル(2歳夏の小倉2歳S・1200m)の3頭だけ。みんなかなり以前のG3の勝利だから、実績よりは「現在のデキ」。格より調子。牝馬戦らしい結果がもたらされそうである。

 4歳の上がり馬カレンチャン(父クロフネ)から入りたい。これまで8戦【4-2-1-1】。4勝はすべて1200mに集中するが、現在1400mをベストとする6歳牡馬スプリングソング(父サクラバクシンオー)の半妹。母方に配されてきたのは母の父から順に、トニービン、マルゼンスキー、ヴェンチア、ゲイタイム……。スプリンター型はないくらいで、4代母はオークス馬シャダイターキンの半妹というファミリーの出身。名前からくるイメージほど非力ではなく、渋い成長力もある。

 前回の1200m快勝も、さっと抜け出したあと最後の100mくらいは流し気味にする余裕があった。1200mには3歳春に1分07秒6(葵Sをクビ差2着)があるくらいだから、好位のインに素早くおさまる可能性大。阪神の芝は、先週、インを回ったヒルノダムールがレコード勝ちし、1400mでは3歳クリアサンサスが軽快に逃げ切って1分20秒8を記録したほどだから、インも悪くない。少々の雨では急に悪化するとは思えず、1番枠は好枠だろう。

 軸馬を決めたところで、相手も超難解。やけにデキが良さそうな格上がりのレディルージュ。敢えて連闘で出走してきたプロヴィナージュ、休み明けの阪急杯1400mを1分20秒8で善戦しているサワヤカラスカルあたりに妙味を求めて、手広くいきたい。

 ☆阪神10Rは、前回、初の2400m(阪神)を2分25秒4で勝った6歳ブラストダッシュが穴馬。前回の中身では少し足りないが、2kg減。3歳春は京都新聞杯で1番人気(5着)に支持された注目馬。20か月、さらに6か月の長期休養があり、遅まきながらやっとオープンに出世してきたばかりだが、再びスタミナの生きるこの距離なら侮れない。これから長丁場で活躍して不思議ない。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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