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皐月賞は親子制覇アリ!?

  • 2011年04月21日(木) 18時00分
 今年の皐月賞は東京での開催なので、同じ競馬場で行われるダービーに向けて左回り適性も見られますし、面白いレースが見られそうですね!

 また、出走メンバーは名馬を父に持つ若駒ばかり。リベルタスの父は、三冠馬ディープインパクトです。

「ずっと跨ってきたユーイチが乗れないのは残念だけど、東京競馬をよく知る横山典弘騎手とコンビを組むことになったのは、何かの縁だと思います。

 馬体もメンタル面もまだ幼いですが、レースの上手い馬ですし、前走後の負荷をかけた調整にもへこたれませんでした。ディープのような末脚が自慢なので、中山の急坂よりも広い東京の緩い坂の方が前々で競馬ができ、得意の走りを見せてくれると思います」(角居師)

 たしかに、あのキレを活かすには東京は絶好の舞台。それにしても、リベルタスの馬体ってスゴイですよ。全体的にボリュームがあってクビがとっても太いんです。

 その話をすると先生は「力のあるクビですよね。でも、クビを上手く使うにはお尻に筋肉が付き、後ろから押し出してウネるような曲線の動きができるようになっていかないとね。リベルタスは、まだまだ幼い走り方ですよ」とおっしゃいました。

 う〜ん、まだまだ良くなっていくってことですか…スゴいな〜。

 角居厩舎は東京で重賞10勝を挙げるなど、相性抜群!もう1頭ステラロッサも出走しますし、今年も楽しみですね! 先生、お忙しいなかていねいにお答えいただいてありがとうございました。

 もう1頭ディープ産駒でここ臨むのはダノンバラード。

 池江先生は「乗り味はディープの背中に似て柔らかいが走りはまったく違う」と言います。でも、芯のしっかりした気性の強さは父譲りだそうです。

 水曜日は、レース感覚が空いていたので、負荷をかけての追い切り。武豊騎手を背に坂路でレイルブレイザーと併せ馬。52.0-12.7秒で併入しました。

 この内容に「切れ味もよく、速い流れでの調教ができました」と先生も満足そう。をしたそうです。

 また、「ムダな筋肉が取れ、ガッチリしてきました。手前をしっかり替え、気持ちがだんだん乗ってきています。ここらで力を発揮してくれるでしょう」と期待を込めて話してくださました。

 さて、レースでのディープの背中を唯一知るユタカさん。時折「えっ、ディープ?」と思うことがあって、素質を感じるそうです。

「まだまだ幼くで安定した走りをしないけど、フットワークがよくで乗り味もいい。奥に秘めた力はスゴイものがあると思うよ」とのことでした。

 東京での皐月賞に関しては「東京はスタートしてすぐにコーナーがあり、直線が長いけど、ダービーをイメージするにはいい経験になるよね。東京は枠に左右されることが多いから、作戦は枠順が出てからじっくり考えるよ。そうだな…ディープで勝ったときのことを思い出して乗るよ(笑)」とのこと。

 池江厩舎も2頭出し。もう1頭のオルフェーヴルは前走のスプリングSで強さを見せてくれましたし、楽しみです。

 そうそう、トーセンラーもディープの仔なんですよね。

 藤原先生はこの馬を「ぜひ預かりたい」とオーナーのお願いしたんだとか。それだけに、「皐月賞に臨めるのは嬉しい」とおっしゃいます。

 また、「震災で放牧に出していた山元トレセンも被災したときは、人馬ともに無事であってほしいと思いましたね。帰厩に時間がかかりましたが、こうしてレースに出られることを感謝しています」とここまでの道のりを語りました。

 で、陣営の布陣はただいま万全。なにしろ、先々週から蛯名騎手にきてもらい、調教に跨ってもらっているんですからね。

 今週の追い切り後、蛯名さんは「乗りやすいですし、心臓が強いから息の入りもいい。小柄な馬ですが背中が柔らかくて、ディープを思わせる動きをします」と話しました。

 藤原厩舎もダノンミルとの2頭出し。先生は「どちらもレベルの高い勝負ができる馬」と評しているだけに、ここを勝ってダービーに向かい、昨年につづく連覇といきたいところですね。

 最後に人気のサダムパテック。大一番を前にしても「いつもと変わらないよ」
と担当の塩満助手が言うほど堂々といます。しかも、黒光りした素晴らしい馬体!

 ちなみに、この落ち着きの秘密は馬房の隅っこに吊されたリンゴのオモチャ。退屈なときは、これをお尻でポンポンつついたり、かじったりしてストレス発散しているんだそうです。

「毎日、機嫌よく動いて、しっかり飼い葉を食べてくれるので嬉しいですね。あとは僕が入れ込まないようにするだけですよ」(塩満助手)

 塩満さんには中尾正厩舎にいたとき、とってもお世話になったんです。当時から腕利きで、頼りになる方だったんですよ〜。そんな塩満さん、今回は初GI挑戦。う〜ん、僕の方が緊張してきました。

 でも、今回は先輩のイコピコと一緒に東京へ向かうそうですから心配無用ですよね。どんな走りをしてくれるのか、レースが待ち遠しいです。

 三冠レースの中でも「最も速い馬が勝つ」と言われるスピード勝負が展開される皐月賞。今年も強豪揃いですから、歴史に残るレースがみられそうですね。

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1977年8月2日、大阪府生まれ。96年3月に中尾正厩舎所属でデビュー。同期に福永祐一、和田竜二らがいる。96年3月10日、タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビューからの約5か月で12勝をマーク。しかし同年8月、レース中に落馬事故を起こし意識不明に。その後、奇跡的な回復をみせて復帰。03年には中山GJでビッグテーストに騎乗しGIを制覇をする。 04年8月28日、小倉競馬場で行われた豊国JSで再び落馬。レース復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は、栗東トレセンを中心に、精力的な取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)にて『常石勝義のお馬塾』(毎週土曜日9:45〜)に出演中。

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