23年ぶりに「東京2000m」で行なわれる皐月賞。過去50年間に5回行なわれているが、1988年ヤエノムテキ、1964年シンザンの年は記録によると中山コース改修中のため、最初から東京の予定だった。直前になって東京への延期は1976年トウショウボーイの年以来のことになる。ただ単にコースが変更になったのではなく、日程も変わっている。最終日の中山ではなく、(土曜に雨は降ってしまったが)開催第1週のタイムの速い芝コンディションへの変更も非常に大きなポイントだろう。
実質「良馬場」に近いコンディションに回復すると、時計の速い開催初めの東京コースの芝は、先行馬有利。差しタイプが外に出しては届かないことが多い。
内枠を引いてさらに人気上昇サダムパテック、ナカヤマナイトの評価は下げられないが、どうみても流れは速くなりそうにない。少々強引に行く馬が出現したところで、芝コンディションと流れのバランスを考えると、展開有利は先行タイプだろう。
伏兵カフナ(父キングカメハメハ)から入りたい。2戦目から2000mだけに出走し、1000m通過65秒5の超スローを後方に控えた「エリカ賞」を別にすると、「2分02秒5→2分01秒0→2分00秒6→1分59秒6」。先行策に切りかえると同時に、一戦ごとに確実にタイムを短縮してきた。3歳春のこの時期に急速に上昇することの多いキングカメハメハ(代表産駒のアパパネ、ローズキングダムも含めて)の最大の長所を受け継いでいるからと思える。前回もダノンミルに捕まったとはいえ、パタッと止まったわけではなく差し返そうとしていた。陣営(丸山騎手)の展望どおり2〜3番手で流れに乗れるようなら、高速の芝コンディションを味方に簡単には止まらないだろう。
もともとがスピード系であって不思議なく、母はサンデーサイレンス牝馬。その半妹はオークス2着のベッラレイア。一族の代表馬はジャパンCのゴールデンフェザント。東京は合う可能性の方が高い。この中間もビシビシ追ってますます元気。各地を転戦してきわめてタフな同馬。日程変更もプラスに近い。
サダムパテック、ナカヤマナイト、さらにはトーセンラーが強敵は間違いないが、若葉Sで好勝負だったダノンミル、今回は持ちなおした印象のダノンバラード(武豊騎手はクラシック出走100戦目)も高く評価したい。