ここをステップに最近10年の「日本ダービー」で通用したのは、06年アドマイヤメイン(2着)、04年ハイアーゲーム(3着)、03年ゼンノロブロイ(2着)、02年シンボリクリスエス(2着)…の4頭。「青葉賞」は重賞に昇格する以前から、ダービーと同じ2400mのステップレースとして存在し、条件戦ではなくオープン特別になったのは、シンボリルドルフの1984年からのこと。
もう30年近くにもなるが、ここで出走権を得てダービーを制した馬は1頭もいない。そろそろ「青葉賞→ダービー」連勝馬が誕生しても不思議なしと思えるのだが…。ダービーで通用するおおよその目安は、前出の4頭を尺度にすると、ダービーで想定されるのと同じ「2分24〜25秒台前半」で乗り切ったか。あるいは、上がり「34秒台前半」で余力さえ感じさせたか、となる。
ダービー候補が増えるように、幸い良馬場見込みの今年も、そういう新星の登場に期待しよう。昨年のペルーサ(日曜の天皇賞出走)は、2分24秒3。上がり33秒8の独走だったが、青葉賞で走りすぎてしまったのか、2番人気の本番では大きく出遅れている。
ここまで人気(話題)先行のムードもあったトーセンレーヴ(父ディープインパクト)の調教の動きが、明らかに鋭くなってきた。栗東の坂路「52秒台」はこれまでの追い切りタイムと同じだが、最後まで一直線に伸びて12秒1。フットワークの回転が速くなったように感じられるから、鋭さアップは間違いない。上のブエナビスタとは厩舎が違うから、調教の手法は異なるものの、エンジン全開となっての動きには、やはり「姉弟」を思わせるところがある。リスポリ騎手から、ウィリアムズ騎手へ。あまり注文をつけた位置取りを避け、正攻法で乗る可能性が高いので(長期展望に立っての遠大なプラスアルファはないかもしれないが)、逆に現時点での能力は出し切ってくれる。
強敵は、中山の2000m(弥生賞)では持ち味全開とならず、脚を余した印象の濃いギュスターヴクライと、ショウナンマイティ。とくに前者は東京2400mをすでに好内容で勝っている強みがある。ついで好調教のショウナンパルフェと、逆にあまり感心した動きではないが、コースと距離が変わったリフトザウイングス。