今週行われるNHKマイルC。

そこに3頭の管理馬を送り込むのは矢作厩舎です。「矢」作厩舎だけに、3本矢での挑戦。

1本目の矢、グランプリボスを担当する久保持ち乗り助手は「折り合い面に課題はありますが、それだけ力があるということです。それに、性格も大人になってきたように思います。これまで、スピード馬のリアルインパクトに2度先着していますし、東京マイルはぴったりだと思う」とのこと。

また、「今回は昨年の天皇賞・春を制した騎手が手綱を取るということで、楽しみにしているんですよ。ウイリアムズ騎手は、先週の調教から乗って馬に馴染んでくれているようです」と嬉しそうでした。



もちろん、今週坂路で行われた追い切りもウイリアムズ騎手が跨りましたよ。調教後に初コンビを組む相棒のことをたずねると「2週続けて乗ったが、だんだん気分が乗ってきたし、馬体も絞まってきたよ。頼もしさを感じるね。東京の1600mは強い馬が勝つコース。だから、チャンピオンになれるようにがんばるよ！」と力強く答えてくれました。

さてさて、トレセン切っての知将・矢作調教師はボスに関して「春の2戦は負けてはいけなかった」とやや辛口に過去を振り返りました。

たしかに2走とも、やや行きたがる面を見せていましたもんね…。その反省を踏まえ、「パワーと能力を引き出し、さらに折り合いがつくように渋谷助手が教育してくれました」(矢作師)とのこと。

また、「東京のマイルは馬の能力が出やすいコースです。ボスは実際の体以上に大きく見せる馬で、腰角が深くて立派な馬体をしています。それに、自力がありますから、ファンの期待を裏切らないレースをしたいですね」とおっしゃいました。

目指すは「世界！」というボス。お父さんのサクラバクシンオーが先日亡くなり残念ですが、短距離王の血を受け継ぐ1頭としてここはがんばってほしいですね。



2本目の矢であるヘニーハウンドは、朝一番に追い切りを済ませ、僕が訪ねたときには馬房でゆったりモード。

それでも、無駄な脂肪がなく、パンパンにはち切れそうな馬体をしていることはわかりました。思わず「すごいですね〜」と言ってしまうほどでしたよ。

こちらの担当は甲斐持ち乗り助手。「まだ、2走しかしていないのにGIに送り出せるなんて最高ですよ」とニコニコ。

「飼い葉食いはいいし、仕上げやすい馬ですよ。それに、折り合いもつきます。前走のファルコンSでは、4か月ぶりのレースで豪快な差し切り勝ちをして、競馬センスのよさをアピールしました。まだまだ底の見えない馬ですからね。いいリズムできているので、今回もがんばってほしいです」(甲斐助手)

矢作先生は「新馬のときは、背中から腰にかけての筋肉に疲れが出やすかったけど、調教を重ねるごとに少しずつよくなってきました」とこの馬を評しました。

また、「逃げ馬とは思っていなかった」そうで、それだけにこの馬のレースでは「ワクワク、ドキドキ」するそうです。

そうそう、ファンのみなさんにメッセージをいただきましたよ。

「手綱はイタリアの豪腕・ニコラ(ピンナ)騎手にお任せします。栗毛のとってもキレイな馬なので、みなさん競馬場に見にきてくださいね」とのことでした〜。

最後の3本目の矢であるキョウエイバサラは、筋肉質のガッチリした馬体でマイル向き。

矢作厩舎は今年もGI制覇を狙っているそうですから、ここは1発ありそうですよね。それぞれ、タイプの違う馬なので、各馬がどんな走りを見せてくれるのか楽しみです。

さて、矢作厩舎の3頭出しで話題のこのレース。そんななかで、僕が気になる1頭は松永幹夫厩舎のクリアンサスです。

父リダーズチョイスは豪州短距離王、母フラワーパークはGI馬と申し分ない良血。しかも手綱を握るのは、このレースを3勝しているユタカさんですからね〜。期待が高まります。

幹夫先生曰く「逃げ馬が多いようですが、そのなかで2、3番手につけ、自分のポジションをつかんで競馬をしていですね」とのことでした。

牝馬ですし、脚質の似ている馬もいますが、そのなかでどんな競馬をしてくれるのか、今からとっても楽しみです！

今年のNHKマイルCは、話題にことかかないメンバー揃い。
連休をお家で過ごした方、旅行先から帰ってきた方。みなさん、週末は競馬場に出かけませんか。きっと、すばらしいレースが見られますよ！